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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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1181/3914

1181:制作物を決めよう。

 うーん、糸ごとの間に仕切りを作っておけば良かったかな?

 これだとあんまり沢山巻いていくとそのうち重なっていっちゃうかもしれない。


 まぁ今更言っても仕方ないし、どうせこのままじゃ使いづらいだろうから別の何かに巻き直すだろうし、問題は無いか。

 シルクの暇潰しにも丁度良いかもしれない。

 ……いや、それはただの言い訳だな。



「クリス、もうちょっと速くしても良いよー」


 ちょっと慣れてきた気がするので、試しにペースを上げてみよう。


 理想は意識しなくても引っ張られた分だけ反射的ににゅるにゅるっと出せる様になる事だけど、別にそこまで行く必要は無いな。

 とりあえず巻き込まれずたるみ過ぎずって感じで、普通に出していければ十分だろう。




「うむ、やはりその辺りが良いだろうな」


 ん、話がまとまったのかな?

 話というかアリア様が提案してラキの反応を見るって感じだったっぽいけど。


「何にしたんですか?」


「服をとは言ったものの、やはり本格的に作ろうと思うとそれなりに時間がかかるのでな。今日は手首周りを飾ろうという事になった」


 まぁ確かに布を織るところからやらなきゃいけないわけだし、あんまり大きいものは作れないか。

 ラキの場合は下半身がクモだから、お尻側の服とかを作ろうと思ったら人間用の何倍も必要だろうしね。



「ラキ、このくらいの短い糸を一本くれるか? うむ、ありがとう」


 なんか肘から先くらいの長さの糸を出してもらってる。


 あぁ、手首や腕の太さを測りたかったのか。

 五か所くらい測ったけどメモとかは必要無いんだな。



「ではコレット、道具を頼む」


 アリア様の要求に、静かな返事と共にスッと何かを差し出すコレットさん。

 小さいし魔力製だから透明だしで見づらくて、何か棒っぽいって事くらいしか判らないな。


 あ、あれ編み針か。

 布を作ってからじゃなくて一から編んでいくんだな。



 うん、それはそれですぐ出来る物じゃないんじゃって一瞬思ったけど、案の定というかとんでもないスピードで生成され始めた。

 まぁ会ってちょっとしか経ってないのに私とシルクの服が何着も用意されてるんだから、尋常な作業速度じゃないのは予想が付くしね。




 ん?

 なんか急に手が止まった。


「ラキ、少し体を動かしたくはないか?」


 愚問……っていうと失礼だけど、それ答えの解ってる質問だよね。


「私がこれを作っている間、あちらでコレットと遊んで(・・・)いてはどうかな? 良い経験になると思うが」


 ……ラキは笑顔で頷いてるけど、それ「遊び」で済む話じゃなさそうなんですけど?


 何をやらせようと…… ってなんかコレットさんも乗り気っぽいのはなんなんだ。

 アリア様からわざわざ振ってくるあたり、隠密さんからラキの性能を聞いてて試してみたかったりするんだろうか。



 まぁお互いやりたがってるなら止める理由は無いけどさ。

 怪我しない様にちゃんと加減はしてくれるだろうし。


 背中にコレットさんを乗っけたラキが元気に空きスペースに走って行って、降りて向き合い互いに礼。

 仲が良いと言うか息が合ってると言うか。



「それではラキ様、まずはお一つお試しを」


 普段通りのピシッと立った姿勢から両手を胸の前に上げ、そこに撃ってこいと言うコレットさん。

 大丈夫…… だから言ってるんだろうけど、あの破壊力をどう……


「はぃ?」


「はっ?」


 アヤメさんと微妙にダブった感想が口から洩れた。


 少し離れた位置に立ってたラキが消えたと思ったら、逆さになってコレットさんの真上にスポーンと吹っ飛んでる。

 ……なんだろう、突進とパンチのとんでもない威力を利用されて放り投げられたって事なんだろうか。



 コレットさんがススッと数歩下がって、元居た場所に体勢を立て直したラキが着地する。

 不思議そうにコレットさんと自分の手を見てるって事は、ラキにも良く解らなかったんだろうな。


「どうだ、面白いだろう」


 今度は手を止めずにアリア様が声をかけると、ラキがすごいなーって笑顔で頷いてる。


 凄いっていうか意味が解らない領域だと思うよ。

 いや、元からだけど。



「で、どうだ?」


 ん、二回目?


「凄まじいものです。こちらとしても良い経験になるかと」


 ああ、今度はコレットさんにか。


「ふむ。一度でも受け損ねれば終わりであろうしな」


「はい。実に良い緊張感です」


 ……うーん、当然と言えば当然かもしれないけど、油断とかしない限り普通に受け流せるって認識なんだな。

 ほんとこの人、本当に人類なのか疑いたくなるよ。



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