1173:微妙に想起されよう。
ずっと我慢させててもなんか申し訳ないし、さっさと視界から消えた方が良いかな。
まぁその分、シェラが一緒に遊んでてくれるだろう。
いや、仕事もしなきゃいけないんだけどね。
しかしこれ、振り向いたりするときに体ごと全部向きを変えなきゃいけないし、慣れないと変な動きになりそうだな。
まぁ別にそんなに機会も無いし、困りはしないから良いんだけど。
……ってなんでカトリーヌさんはぴーちゃんに掴まれてるんだ。
まぁ気にするだけ無駄だし放っておいても良いだろう。
ぴーちゃんの困った声が聞こえてきてないって事は、別に変な事してお仕置きされてる訳でもないだろうしね。
あ、ドアが中から静かに開いた。
内側でこっちが近づくのを待ってたんだろうなぁ。
「ただいまー」
「ぴゃっ」
「おふっ」
あ、玄関の床に捨てられた。
って、なんかシルクが固まってる様な?
……あー、魔力の箱に入ったラキを見てる。
いやうん、これ別にお仕置きとかじゃないから大丈夫だよ。
怯える必要は無いのだ。
「えーと、とりあえず下ろしますね」
「うむ」
一応断ってからゆっくり床に置こうとしたら、そっと下に白い布が敷かれた。
……シルクちゃん、気が利くのは良いんだけど微妙に逃げ腰なせいで、ちょっと変な姿勢になってるぞ。
まぁうん、その辺は仕方ないか。悪いの私だし。
で、それは良いとして。
箱を操作して正面に出口を開けて、と。
「それじゃ、ラキは先に出ててね…… って速っ」
私が言い終わるよりも先にダッシュでどっか行ってしまった。
あ、ぐるっと回って帰ってきた。何なんだ。
いや、まぁ普段通りか。
移動中ずっと大人しくしてた反動かな?
「それじゃ溶かすんで、足下に気を付けてくださいねー」
「うむ、頼むぞ」
「良いんだけど、椅子の部分だけ残せないのか?」
「……あー、頑張れば多分」
微調整が難しそうだけど出来なくもないと思う。
というかその手が有ったか。
「えーと、それじゃ失敗した時の用心だけしておいてください」
「とはいえ、盛大に転んだとしても問題は無いのだがな」
「まぁそうなんですけどね」
怪我とかする訳でも無いし。
……ん?
「そういえばアヤメさん」
「ん?」
「肺とか潰れるって言ってたけど、別にそれも怪我はしないよね?」
「いや、ツッコまないと思ってたら気付いてなかったのか……」
……うん、なんかごめん。
なぜかそこだけ気付かずに、素で心配してたよ。




