1171:固めてみよう。
「それじゃ、固めてみますね」
「うむ。ポーズに希望は有るか?」
「いや無いですよ。絵を描いたりしてるんじゃないんですから」
敢えて言うなら、無難に前見ててくださいってくらいだよ。
変な方向に走ったりしなきゃそれで良いんだ。
というかそもそも狭い個室に座った状態でやってるんだから、ポーズ取るスペースなんて無いでしょうに。
いや、細かいのはいけるけど。
とりあえず、変な事言いつつも普通に前見ててくれてるし、もう始めても良いんだろう。
内側の液状部分を意識…… しなくても、全部まとめて扱えば良いか。
どうせ着いたら箱も要らなくなるんだし。
「行きますよー」
「わざわざ言う必要有るか?」
「いや、唐突にやったら失敗写真みたいに、微妙な表情のまま固まる可能性が有るかなって」
「あぁ……」
まぁ他の人達からは小さすぎて表情なんて見えないだろうし、大した問題じゃない気も……
いや、ダメか。
周りに居る隠密さん達って、普通に【視力強化】持ってそうだし。
というか正面にラキが居るし。
「んじゃ改めて…… さん、にー、いち、はいっと」
かちーんっと。
うん、とりあえずうまく固まったかな?
「あー、あー。うん、ちゃんと喋れるな」
「ふむ。指一本動かせないどころか、体内の鼓動も感じないな。興味深い」
まぁうん、内側も固まってるみたいだしね。
「ちょっと動かしてみますね」
「遠慮してくれよ?」
言われなくても一応解ってるよ。
とはいえ、こっちがいくら遠慮しても効果は薄そうなんだよね。
なんせ三十倍近いサイズの差が有るんだから、こっちがちょっと突っつくだけで普通なら立ってられないレベルの揺れになるだろうし。
まぁゲーム内補正も有ってあんまり普通とは言い難いから、ちょっとくらいなら何とかなりそうだけど。
「おー、動かない」
軽く左右に揺らしてみたけど、問題無さそうだな。
「こっちの視界は凄い事になってるからな」
「うん、ごめん」
でも実際運ぶとなるともっと酷い事になるんだし、そこは諦めてほしい。
そこはもうどうしようもないというか、必要以上に小さいサイズを希望したアリア様に言ってね。




