1170:頭まで沈めよう。
「まぁそれはともかくとして、続き入れますよー」
「うむ」
このまま話してたら本当にやってみようとか言いかねないし、進めていくとしよう。
「この感じだと、やっぱり沈んでも問題無く喋れるっぽいな」
「そうなの? まぁ吹っ飛んでても大丈夫だったし、そんなもんなのかな」
ほぼ透明な膜状になってても喋れるのに、原型を留めてたらダメってのも良く解らないもんね。
「うむ。既に浸透した液で胃や肺も満たされている様だが、特に痛み等も無い」
「いやアリア様、お姫様がそれはどうかと思いますよ……」
ほれこの様に、と口からぴゅーっと吹き出すアリア様に、隣のアヤメさんもツッコまずにはいられなかったらしい。
でも真顔でやられたら微妙にツッコミづらいよね。
「なに、そう気にするな」
いや、普通は気にすると思うよ。
というかお姫様じゃなくても、あんまり女の子がやる様な事ではないと思うよ。
「よし、と」
頭上の空気穴から少し溢れてきたところで、供給をストップして穴を塞いでおく。
「ふーむ、少々奇妙な感覚だな」
「まぁ口や耳どころか、その奥や目の裏にも入ってますしね」
「うむ」
あー、まぁ温度は感じないって言っても、一応液体の感触は有るんだもんね。
痛くなくても違和感が凄いだろうな。
「……んん?」
「ん? どしたの?」
「いやこれ、特に抵抗なく息とか全部出しちゃってるけどさ。パッと全部消されたら一気に肺とかが潰れたりするんじゃないか?」
「えー…… あー……」
言われてみれば確かに、そういうのは危ないかもしれないな。
解除する時は一旦液状に戻して、最低でも全部吐き出してもらってから…… というか上がれば余分な分は勝手にすり抜けて出て行くのか。
「ふむ。確かに肉体や血液にまで浸透している事も考えると、迂闊な扱いは避けた方が良さそうだな」
「そうですね…… とりあえず一旦今と同じ状態に戻してから余分なのを落としてもらって、体に残った分はそのままにしておきますか」
「うむ、特に影響が無い様ならばそれが良いだろう」
こっちとしても、事故だとしても殺人は避けたいところだし。
今更どの口でとか言われそうだけど。




