1166:外で遊んでてもらおう。
「そういえばさ」
「ん?」
ちょいちょいと箱の内部を調整してたら、アヤメさんが何か思い出したらしい。
「私たちやぴーちゃんは良いとして、シェラはどうするんだ?」
「あ」
確かにあの子は飛べないし、大ジャンプで突っ込んで行くっていうのも危なそうだな。
ぴーちゃんには流石に重そうだけど、シルクなら運んであげられるかな?
まぁどうしようも無ければモニカさんや隠密の誰かに……
「私が運ぼうかー?」
「あれ、残ってたんだ」
さっきお姉ちゃん達と一緒に帰ってたんだと思ってたよ。
そういえば何も言ってなかったな。
「んー、残ってずっと気配消してたよー」
「……なんで?」
「意味は無いねぇ」
うん、まぁそうだろうけど。
気配を消してたって言っても、多分気付いてなかったのは探知能力が低い私くらいだろうし。
「ん、でもシェラちゃん的には別に要らないっぽいねぇ」
「あれ、そうなの?」
チラッと見たエリちゃんの言葉でシェラの方を見てみると、頷きが返ってきた。
どうするつもりなんだろう?
「あー、入ってもその体じゃちょっと狭いからかぁ」
「ん? ……あぁ、確かに」
背の高さで言うとシルクより低いとは言っても、普通の人型と違って奥行が有るもんなぁ。
普通に歩くだけなら出来るだろうけど、廊下だと方向転換すら出来なさそうだ。
お風呂にしても、人数分のカップを並べたらシェラの居場所が無くなっちゃいそうだな。
というか入れる湯船の用意が無いから、シャワーでわしゃわしゃしてあげるだけになるだろうし。
まぁそれはそれで良いかもしれないけど。
「うーん、それじゃどうしようか。……ん、外で遊んでたいの?」
こっちが考える顔をしたら、庭の方を指差してきた。
どうやらこっちの解釈の通りだったらしく、頷いてから「行ってきまーす」と手を振って、机から飛び降りて行った。
……遊んでてくれて良いんだし多分そう思ったのは伝わったんだろうけど、一応まだ返事はしてないぞ?
いや、良いけどさ。
「遊ぶというより、ファンサービスっぽいな?」
「……良いんじゃない?」
芝生に降り立ったシェラがモニカさんに絡みに行ったのを見て、アヤメさんが呟いてる。
まぁうん、周囲からの好感度を上げるっていうのは、一応立派なお仕事でもあるな。
ただ遊び過ぎでジョージさんを困らせない様に、ある程度加減はした方が良いと思うよ。
既に隠密さんが何人か出て来てるし。
まぁ、流石にジョージさんも今は別に良いぞって感じなんだろうけどね。
別に怒ってる風でも無いし。
言っても仕方ないなって諦めてるだけかもしれないけど。




