1165:乗り物を作ろう。
……走って来たラキに手を振ってたアリア様が、一瞬止まった所に飛び乗ってそのまま二人で走り去って行った。
いや、まぁ良いんだけどさ。
ほんと仲良いな。
「……まぁとりあえず、同じ様にお願いします」
「はい」
コレットさんも同じ位まで縮んでもらって、待機しててもら……
って、なんかアリア様とラキに攫われて行ったんだけど。
まぁほぼ自分の力で飛び乗ってたっぽいし、気にしなくて良いか。
「はい、アヤメさんも」
「はいよ。……今更だけどさ」
「ん?」
「降りてから自分で歩いても一応行けるんだよな。このくらいなら飛び降りられなくもないし」
「……そういえば階段作ってあったねぇ」
手を重ねながら言ってるけど、それはやる前に言ってくれれば良かったんじゃないかな。
まぁアリア様にそこ飛び降りて自分で歩けとも言えないから、先に気付いててもあんまり変わらないか。
「良し、と」
「お、来た来た」
こんなもんかなと手を引くのと同時に、アリア様達を乗せたラキが戻ってきた。
よくあんなに動き回る背中の上で平然としてられるなぁ。
「うん、ありがとね」
二人を降ろしたラキが手を振ってくるので、よしよしと頭を撫でておく。
まぁ一番楽しんでたのはラキっぽいけど、そこは置いておこう。
なんにせよこっちが頼んだんだしね。
「で、えーと…… 座席付きの箱みたいなので良いんですかね?」
とりあえず適当に、食パンくらいの大きさの箱を出してみる。
座りやすい高さの段差も作って、と。
あ、一応仕切りも作っておくか。
……加速で潰れちゃった時に、混ざるというか重なったりしない様に。
気を付けはするけどね。一応ね。
「ふむ、試しに置いてみてくれ。……うむ、とりあえず問題は無かろう」
置かれた箱に乗り込んで、座って仕切りをぺちぺち叩くアリア様。
通常サイズのコレットさんが殴っても壊れなかった素材だし、薄めとはいえ強度は心配ないと思うよ。
「軽く仕切ってあるけど、いっそ乗り込んだ後に完全に区分けしたら良いんじゃないか?」
「あー、そうしとこうか」
今のままだと、前や上に吹っ飛んだりしたら無意味だし。
座ってもらってから、少し動ける程度の空間だけ残して周りを囲っておくとしよう。
それなら吹っ飛ぶにしても最小限だしね。
いや、そうなったら潰れる事には変わりないだろうけど。
「む、白雪」
「はい?」
「ラキも乗りたいそうだぞ」
「……あー、はい」
アリア様に言われてラキを見てみると、確かに「良いなー」みたいな顔してた。
まぁちょっといじるだけだから別に良いんだけど、ラキちゃん自力でくっついてられるでしょうに。
んー、どうしようかな。
横並びだとラキは割と幅を取るし、階段状というか三人の座席を後ろのちょっと高めに配置して、その前に居てもらおうかな。
同じ高さで並んでたら前が見づらいだろうし。
いや、そもそもまともに前とか見られる状態で居られるか、怪しいところなんだけどね。
無駄に高さのある箱を作っちゃってたし、丁度良いからそうしよう。
「想定通りだからとか言いたそうな顔してるけどさ」
「正解だよ」
そこツッコまなくて良いんだよ、アヤメさん。
別に何か考えが有って立方体を作った訳じゃないよ。
しかくしかくーって思ってそのまま出しちゃっただけだい。




