1160:綺麗に払おう。
「ん?」
「なんか走ってきたな」
何やら元気にダカダカと、ラキがこっちに近づいて……
「お、っと。なんだなんだ?」
アヤメさんの脚に飛びついて器用に登っていく。
いきなりどうしたのかと思ったけど、ラキは割と普段からそんな感じって気もするな。
もそもそとアヤメさんの服の上を動きつつ、自分の足下をじーっと見てる。
む、なんかぽふっと服を叩いた。
「あー、ちょっと残ってるのを取ってくれてるのか」
「あぁ、なるほど。良い子だねー」
人差し指で頭を撫でてあげたら、えっへんと胸を張ってる。
……これ今の図だけ傍から見たら、手に隠れてラキが見えずにアヤメさんへの唐突なボディタッチしてるみたいかも。
いや、実にどうでも良いけどさ。
「ありがとな」
アヤメさんもラキのお尻を上からつんつんしてお礼を言ってる。
うん、良い子ではあるんだけど、ちょっとくらいなら別に良いんじゃないかなとも思うな。
あ、でも結構遠く…… このサイズで見れば結構遠くから走ってきてたし、何か目印みたいなものになったりするんだろうか。
いや、走ってきたのは単に遊びに来ただけで、なんかまだ付いてるーって落とし始めただけかもしれないけど。
「お」
「終わったっぽいね」
肩の上に乗ったと思ったら、そこからぴょんっと頭の上に飛び移った。
なんだその「登頂成功」みたいなポーズは。
しかし元気に走り回ってるなぁ。
見た感じアリア様がやらせてるっぽいけど、シェラとしても楽しければオッケーって感じなんだろう。
……よく見たらコレットさん、後ろに居るのにアリア様に掴まらずに平然としてるんだけど。
シェラの背中を掴んだりもしてないし、どうやって位置と姿勢を維持してるんだろうな。
まぁ良いか。コレットさんだし。
あ、こっちに方向転換した。
ラキが終わらせるのを待ってたのかな?
「よしシェラ、では手筈通りに…… とうっ!」
「ぉわ危なっ!?」
アリア様が何か言ったと思ったらシェラが急ブレーキをしながら上半身を倒して、アリア様とコレットさんがその上を元のスピードを維持したまますっ飛んできた。
後ろに居たコレットさんがふわっとアリア様をお姫様抱っこの姿勢で確保して、私達の目の前でふわりと着地。
いや横方向の力はどこへ消えたんだ。
気にするだけ無駄なのは解ってるけど、ツッコまざるを得ないじゃないか。
……というか、横を見たらアヤメさんの位置が微妙に離れてる。
当たりそうな軌道で吹っ飛んで来てたから、自分だけ避難したのか。
まぁそれはこっちがトロいだけだから文句は言えないし、大丈夫だったから良いんだけど。
「……スタイリッシュに登場する意味は有るんですか?」
「む? いや、特に無いぞ。思いついたので試してみただけだ」
コレットさんに降ろしてもらいつつ、アヤメさんのツッコミ混じりの質問をいなしていく。
いや、素直に答えてるだけか。




