1152:続行されよう。
あれ?
そういえばアリア様の後頭部にラキがくっついてたはずだけど、大丈夫なんだろうか。
いや、ずっと下敷きになってても問題無いくらいには強いんだけどさ。
っていつの間にか脱出して、机の上でなんかやってるな。
あれはシェラが出した矢を軸にして、くるくると糸を集めてるのか。
あ、こっちが気付いたことに気付いた。
……いや、そんな「脱出成功!」みたいにポーズ取られても、ちょっと反応に困る。
ててーんって効果音が付いてそうだとは思うけど。
とりあえず、すごいねーって感じで頷いておこう。
まぁあっちは良いとして、だ。
「まだやるんですか?」
「いつまででも楽しめそうだぞ?」
「いや、だぞ?って言われても困るんですけど」
そっちがどうかは知らないけど、こっちは足下でもぞもぞ動かれてるだけなんだよ。
ちっこいのがもそもそ動くのは可愛い事ではあっても、足の下に居るから見えるわけでもないし。
「正直否定できない…… けど、こうなるからやりたくなかったんだよ」
「まぁそうだろうねぇ。ただでさえ雪ちゃんは可愛いからね!」
「……言うタイミングを常に探してない?」
ここのところ毎日聞いてる様な気がするんだけど。
こら、目を逸らすんじゃない。
「さて」
お、終わ……らないな。
なんかアリア様、ずりずりと上に動き始めた。
……いや、なに人の親指にぎゅっと抱き着いてるんだ。
確かにくっつくのには丁度良さげな太さだろうけどさ。
「動けないのは良いとして…… 頼むから気を付けてくださいね?」
「んむ」
指に回してる腕に力を込められたら、私の指がポキッといってしまうからね。
解除すれば治るって言っても、それまではかなり痛いだろうから勘弁してほしい。
あとどうでも良いんだけどアリア様、親指の腹に顔を埋めたまま返事するのはどうかと。
いや、一言だけだし判るから良いんだけどさ。
「落ち着く……」
「そのまま寝たりしないでくださいね?」
「それもまた良いのではなかろうか」
「良くないですよ」
このままの状態で一晩動くなとか、普通に苦行でしょうに。
……爪をぺちぺちしないでくれないかな。
密度の違いのせいで結構な衝撃が親指だけに来てるから。
ぺちってする度に親指がぷよんぷよんと顔に当たるのを楽しんでるんだろうか。
あんまりやってるとそのうち怪我するよ。
私がだけど。




