1137:つっついてみよう。
あ、勢いが弱まってきた……と思ったらすぐに終わったな。
矢の棒の部分まで全部針に変換して、魔力を使い切ったっぽい。
「おー、びっしりだ」
改めて地面を見てみると、私から見れば小さい家が建てられそうなくらいの範囲が細長い針で埋まってる。
人間から見ると直径一メートルちょっとの円形かな?
「一度浴びてみたいものですわねぇ」
「同意を求めるみたいに言われても困る」
みたくないよ。断じてごめんだよ。
そりゃ一発の威力は比較的低いんだろうし、私達ならダメージなんて受けないだろうけどさ。
多分かなり怖いよあれの下。
「もう大丈夫だよね?」
確認するように言いつつも、返事は聞かずに普通に近寄るお姉ちゃん。
まぁ上の球も消えてるし、問題は無いと思うけど。
「おー」
しゃがみこんで針をつんつんし始めた。
流石に刺さりは浅いらしく、触っても動かないほどには固定されてないっぽいな。
遠くからだし比較対象が少ないから解りづらかったけど、お姉ちゃんが突っついてるのを見る限り、私の膝上くらいまでの長さはあるっぽいな。
埋まってる部分も合わせたらもうちょっと長いか。
「……っ」
ん、なんかピクッとして固まった。
どうかしたんだろうか。
「何か有りましたか?」
「刺さった……」
「アホだろあんた」
……人差し指の先からぷくっと血が出て来てる。
何をやってるんだ、あの姉は。
「思った以上に鋭かったんだよう」
「まぁ一本一本が軽いだろうし、そのくらい鋭くないと意味が無いんだろ」
あー、確かに。
魔力製だとほぼ重量が無いからなぁ。
多少速度が有ってもある程度鋭くないと、ぺちぺち当たって落ちるだけだもんね。
がっつりと魔力を込めて発射すれば別かもしれないけど、あの数にそれをやるのは【妖精】みたいな生き物じゃないと無理そうだ。
……ん?
そういえばあの辺りって、普通に芝生だったよね?
矢の周りもそうだし。
……あー、うん、モニカさんがちょっとしょんぼりしてる。
なんていうかその、ごめんなさい。




