1136:大技を披露しよう。
む、何やら集中して魔力を集め始めた。
さっきまでは普通にスッと出してたけど、今度の矢は別物なのかな?
「おー、凄い凄い」
「離れとけって」
……お姉ちゃんがちょっと身を乗り出して、アヤメさんに肩を掴まれてる。
だから懲りなさいってば。
「おー」
「まるで照明弾ですわねぇ」
先端にボールを付けた様なというか、ボールに矢を突き刺したみたいなものが出てきた。
溜めが必要だっただけあって、矢の先端に集まった魔力が光を放ってるなぁ。
でもあれ、なんだかバランス悪そうだけど上手に飛ぶんだろうか。
いや、大丈夫なんだろうけど見た目がね。
シェラがとことこと机の端に歩いて行って、何も無い空間に向けて構える。
ん、かなり上を狙うんだな。
四十五度どころか六十度くらい?
割とのけ反ってるし、あの体勢を維持するのは辛そうだ。
いや、さっさと撃てば良いだけだけど。
「お…… お?」
「止まったねぇ」
パシュッと宙に向けて矢が飛び出したと思ったら、放物線の頂点辺りでふわっと静止した。
空中に暗めの電球を浮かべたみたいになってるなぁ。
「近づかない方が良いかな?」
「何か有っても治療はしませんよ?」
「やめとく……」
まぁ何か有っても完全に自業自得だもんね。
いや、まぁ多分本当にやらかしたら治してくれるんだろうけど。
二人がかりでのお説教付きかもしれないけどね。
ん、なんか微妙に球が動いた……?
「ぅわっ!?」
「わー…… 行かなくて良かった……」
一瞬ピカッと光ったと思ったら、球の表面からまるでシャワーみたいに、細くて短い光の矢が大量に降り注ぎ始めた。
あれ見に行ってたら、治療なんてする暇もなく死んでたんじゃなかろうか。
「綺麗ですわねぇ」
「あー、うん。見てる分にはね?」
球の下の地面、もう矢でぎっしり埋まっちゃってるけどね。
あれ忘れずに消しとかないと、踏んだらえらい事になるんじゃなかろうか。




