1129:試すのは止めておこう。
あ、すごいでしょって顔でこっち見てる。
「うん、凄い凄い。鋭いんだねぇ」
とりあえず褒めておこう。
実際凄い切れ味だし。
「一体どうなっているのでしょう」
「あ、別に触らせなくても良いからね? どうせ確認とか言って指に刺そうとするだろうから」
「残念ですわ」
カトリーヌさんがシェラの口元に手を伸ばしているので、一応阻止しておこう。
さっきクリスに潜り込んだばっかりでしょ。
……というか否定しないって事は、本当にやるつもりだったのか。
「ふむ、なるほど」
アリア様が置かれた破片を摘まみ上げて、切断面とかを確認してる。
軽く力を入れたのは、ちゃんと硬いよなぁって事かな?
「良かったな。噛まれたのがこっちだったら、指が無くなってたぞ」
「怖い事言わないでよアヤメちゃん……」
まぁそうなるんだろうけど、クリスの方も同じかそれ以上に危ないよね。
毒を使われてたら指どころか全身が壊されるんだろうし。
「まぁ変にいじめたりでもしない限り、噛まれはしないでしょ」
私の言葉にシェラがうんうんと頷いてる。
だいじょぶだよーって笑顔だな。
「ですが、白雪さんの指示が有れば別なのでしょうね」
「ひえっ」
「いや、しないけどね?」
……全く曇りの無い瞳で「うん!」って頷かれても困る。
いや、召喚獣としては正しいのかもしれないけどさ。
それもそれでどうかと思うんだ。




