1130:別の技を見せてもらおう。
おや、突然シェラが丸太の方に歩いて行った。
「ん? あ、他にも何か出来るの?」
丸太をぺちぺち叩いて「見ててねー」ってやってるので、一応聞いてみる。
あ、頷いた。
あれ?
今度は丸太から離れてテーブルの端に行ったな。
アリア様の前まで行ってお辞儀してから、クルっと反転してる。
……アリア様、今一瞬モフろうとして自重したな?
まぁうん、気持ちは解る。
背後のアリア様は気にせずにサッと両手を上に上げて……
おや、シェラは魔法が使えるのかな?
手元に魔力の光が見える。
光が何やら細長い形を取り始めたと思ったら、体を捻りつつ両手を横に広げてる。
あれは…… あー、魔力製の弓矢かな?
あ、撃った。
「おー」
「お見事ですわ」
スコンと小気味良い音を立てて、さっき自分が齧った所に綺麗に命中させた。
シェラから見ても多少距離が有るはずだけど、よく当てられるなぁ。
「ほう、やるな」
背後から撫でてくるアリア様に、「でしょー?」と言わんばかりの笑顔で応えるシェラ。
うん、見た感じ矢の半分近くまで深々と刺さってるし、威力も申し分なさそうだ。
というかこれだけ刺さって折れてない辺り、矢の強度もかなり高いんだろうな。
……そういえば私、一応弓のスキル持ってるんだよね。
速攻で封印したけど、あんな感じで使えば実用化出来るんじゃなかろうか。
でも魔法の射程が私視点で二十メートルは有るんだし、普通に魔法を撃った方が良いのか?
訓練すればもっと長距離でも当てられるんだろうし、無意味って事もなさそうだけど。
機会が有って覚えてたら、たまには練習してみようかな。
覚えてたらだけど。




