1112:こねこね片付けよう。
まぁそれはともかくとして。
「とりあえず、一通りは見せ終わったかな?」
すごいねーと頭を撫でつつ訊いてみると、小さく頷きが返ってきた。
うん、流石にもう無いよね。
まぁ改めて見せるほどじゃないってだけで、しっぽビンタとかは普通に出来そうだけど。
あ、そうだ。
「ちょっとそのまま…… うん、緩めて良いよー」
クリスが砕いた石に魔力を流して柔らかくし、軽く押さえてくっつけていく。
巻き付いたまま確保してるって事は、また固めようって事だよね。
単にとりあえずそのままでいただけかもしれないけど。
石とクリスの隙間から手を突っ込んで、下の方に転がってる破片も柔らかくしてからペタッとくっつけていく。
「うん、お願いね」
私がやります、みたいな顔でぷにっとつつかれたので任せるとしようか。
実際私じゃ重過ぎて、外側を揉んでいくくらいしかできないし。
もっと魔力を流して柔らかくすればいけそうだけど、下手したら液状の石に飲み込まれそうだし。
ある意味では溶岩と言えるのだろうか。
……うん、どうでも良いな。
「ほい、ちょっと止めてー。はい、おっけー」
残っていた破片を粘土状の石に混ぜ込んだところで止まってもらい、追加の魔力を馴染ませて内部の石も溶かしておく。
別にまとめるだけで良いんじゃないかと思うけど、なんか捏ねて綺麗にまとめてるのを止める必要も無いし、そのまま見ているとしよう。
なんだかクリス、ちょっと楽しそうだし。
「ん、出来た? それじゃ固めちゃうね」
ぽふっと石を叩いてこっちを見たので、完成と判断して石から魔力を抜いていく。
うーむ、白黒が細かく混ざって、見ようによっては綺麗かもしれない。
磨けばタイルとかに使われてる様な石材に見えなくもなさそうだ。
あ、まとめ終わった石をひょいっと持ち上げて、残ってた枝の所に無造作に置いてる。
こねこねするのがちょっと楽しかっただけで、別に完成品にはそこまで興味が無いらしい。
まぁ欲しいわけでもないなら、アリア様に返却すれば良いか。
元と違うものを返されても困るかもしれないけど、一応ちゃんと一体化させてあるから石は石だし。
というか私……【妖精】の作った物だし、変に喜びそうだな。
変って言うとちょっと失礼な気もするけど、こっちからすればそう言いたくもなるよね。




