1110:お片付けを手伝おう。
まぁ召喚獣とはいえ【妖精】関係の話だし、まともな遠距離攻撃が貰える可能性は低いか。
そもそも発射に時間がかかり過ぎるから、外で使うには厳しそうだしね。
「とりあえず、まとめておきますわね」
「あ、うん。よろしくー」
カトリーヌさんが残った石を拾って【錬金術】で粘土みたいに柔らかくしてから、砕け散った石と弾丸にぺたぺたと押し付けて回収していく。
あとでテントごとひっくり返せば済む気もするけど、まぁ出来るだけ片付いてた方が良いよね。
「いえいえ、見せてくれと言っているのはこちらですから」
申し訳なさそうな顔でカトリーヌさんに頭を下げてるクリスちゃん。
うん、気にせず散らかしてくれて構わないぞ。
実際大した手間でも無いしね。
「はい? あ、それではお願いします。助かりますわ」
「まぁ全部まとめたら、流石に私達じゃ持ち上がらないよね」
ある程度まとめて重くなってきた所で、クリスがそっと交代を申し出た。
丸太はまだしも石なんて、全力で頑張っても持ち上がらないかもしれないな。
いや、かもっていうか普通に無理か。
多分百キロは超えてそうだし、物理面が強化されるスキルは持ってないし。
丸太も何とかなるかもしれないってだけで、無理したら腰とかが壊れちゃいそうだし。
……このゲーム、そういう要素……はどうせ有るな。
冒険中にぎっくり腰とかやらかして、動けないまま敵に殺されるなんて事がどこかで起きてるかもしれない。
仕方ないといえば仕方ないけど、なんかちょっと恥ずかしいだろうな……
あ、別に一つにまとめなきゃ良いだけの話か。
まぁもうクリスがやってくれてるから良いんだけど。
「ありがとうございます」
できましたーと掲げられた石の塊から、カトリーヌさんが魔力を抜き取って元の……ではないけど、硬い石に戻した。
きちんと混ぜてはいないから、中は白黒のまだら模様みたいになってそうだな。
「よしよし、偉いぞー」
極めて控えめにだけど褒めてほしそうな感じだったので、なでなでしておこう。
実際お手伝いしてくれたんだしね。
撫で終わって手を離すと、置いた石をぽふぽふ叩いてこっちを見てきた。
「ん? あぁ、次ね」
「丁度良いからまとめた石を使います、と言ったお顔ですわね」
カトリーヌさんの言葉にクリスが頷いてる。
どうやら正解だったらしいな。
えーと、あと残ってるのは…… あ、巻き付きか。
しっぽの先っぽをぴこぴこ動かしてるし。
……ん?
いや、うん…… 石を使うって言ったよね?




