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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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1102/3916

1102:下手に出られよう。

 ん?

 クリスちゃんがゆっくりと深く頭を下げたけど、どうした…… ってカトリーヌさんが手を振ってるのか。

 そういえばずっと、微妙に離れた位置で大人しく観客をやってたな。


「カトリーヌと申します。よろしくお願いしますわ」


「もうちょっと近づけば良いのに……」


 なんでそんな遠くから挨拶してんの。

 遠くって言っても机の上だから、実際にはそんな離れてないけど。



「ではクリス様、近づいてもよろしいですか?」


「……あー、呼び方は気にしなくて良いよ? そういう人だから」


 寄って来るのは良いんだけど【妖精】に様付けで呼ばれて、「大丈夫です」と頷くべきか「様だなんてそんな」と首を振るべきかって感じで、クリスの動きが怪しくなっちゃってる。


 他の子もカトリーヌさん(本人)がそうしろって言うから遠慮無く攻撃したりしてるけど、本来は【妖精】ってだけで上位の存在みたいだもんなぁ。

 いや、みたいっていうか一応(・・)高位種族なんだし、実際に上なんだろうけど。


 気にするなって言われても大人しいというか気弱な感じのクリスちゃんには少し荷が重そうだけど、まぁ頑張って慣れてほしいところだな。

 ……カトリーヌさんの方は一貫して自分が一番下だって態度を崩さないだろうし。

 うん、諦めが肝心だよ。




「とりあえず近づくのはオッケーみたいだけど」


「では失礼して。あぁ、楽にしてくださっていて結構ですわ」


 クリスちゃん、けっこう緊張してるな。

 他の子が気にしなさすぎるだけで、実は向こうからしてみれば【妖精】はそのくらい偉い存在なんだろうか。


 ……いや、多分これクリスが気にし過ぎてるだけだな。



「そんなに緊張しなくても大丈夫だよー。ほら、怖くない怖くない。なんなら私の方がよっぽど怖いから」


「自分で言うのか……」


「いや、緊張をほぐそうかと思って」


 アヤメさんに苦笑されてしまった。

 お、でもすごい雑な感じで言ってみたけど、一応効果は有ったっぽいな。


「そんなことないですーみたいな顔してくれるのは嬉しいんだけど、客観的に見て事実じゃない?」


「頷いたら睨まれそうな事をこっちに振ってくるなよ」


 あー、まぁ確かに。

 クリスが睨むかはともかく、ラキ辺りが威嚇の矛先を変えてきそうではあるな。

 っていうかラキちゃん、いつまでお姉ちゃんで遊んでるの。



 ……アヤメさんが何か言いたそうなのは、多分カトリーヌさんも別の意味で相当怖いって感じの事だろうな。

 このタイミングで言ったらクリスがまた怖がりそうだから黙ってくれてるんだろうけど。



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