1100:喜んで頂こう。
しかしあれ、持ち込んでどうするんだろうか。
中で割ったりしたら大変な事になりそうだけど。
いや、割るにしても零れる様な割り方はしないか。
「とりあえず気に入ってくれたみたいで良かったよー」
「あの卵、体の倍は有ったけどどうするつもりなんだろうな」
うん、私から見てもバスケットボールくらいのサイズは有ったね。
食べろって言われたら大食いチャレンジみたいな光景になりそう。
するーっとしっぽの先まで入っていって、そのまま顔を覗かせ……
……んん?
手には持ってないけど、置いた音とか特にしなかったよね。
静かに置いたとしても【聴覚強化】が有るし、あのサイズなら流石に聞こえると思うんだけど。
「んー? ……あれ?」
クリスを驚かせない様にそーっとテントの中を覗きこんでみたけど、卵が影も形も存在しない。
入って一周する間に、何が起きたと言うのか。
「どうした?」
「いや、卵が無い……」
「は?」
うん、まぁそういう反応になるよね。
「えーと……? ……あれ、なんかクリスちゃん、ちょっとぽっこりしてない?」
「……本当だな」
記憶より少しふっくらしてるクリスのお腹周りを見ながら聞いてみたら、ちょっと赤くなって両手でお腹を隠しながら、入り口の陰に隠れてしまった。
……なんか太った事を指摘したみたいになった気もするけど、そういうつもりは無いよ。
「もしかして、もう全部食べちゃったの?」
入り口から顔だけ出してるクリスちゃん、恥ずかしそうな顔でこくりと頷いた。
いや、別に悪い事じゃないし責めてもいないから、そんなしゅんとしなくても良いんだよ。
ちょっと驚いただけだから。うん。




