1098:用心しておこう。
「大丈夫だとは思いますが、一応……」
あ、回復してあげるんだ。
レティさんがお姉ちゃんの指に手を添えて、ぽわっと魔力を消費する。
「ありがとー……って治ってないんだけど」
「そちらは自業自得ですから」
レティさん、にっこりと受け流していく。
うん、まぁその通りだよね。
ってそれじゃ今のは何なんだ。
「え、じゃ今のは?」
うん、当然同じ疑問を持つよね。
「解毒ですね」
「え゛っ…… えっ?」
……今お姉ちゃん、濁点がついてそうな声出したな。
可愛く言い直してもダメだと思うよ。
「その子、毒蛇の子なのか?」
「恐らくですし、流石に注入してはいないと思いますけどね」
あ、そうなんだ。
チラッとクリスを見てみたらうんうんと頷いてるし、多分両方同意って事で良いんだろう。
「えーと…… それってどのくらいの毒なのかな?」
「もし使われていた場合、私に解毒しきれるかという意味でも『一応』ですねぇ」
「えー……」
ほー、そんな強い毒なのか。
まぁ本来毒って程の物を持ってないはずのラキですら、【妖精】を普通に溶かしてたくらいだしなぁ。
そう不思議でもないか。
……いや、それは【妖精】の耐久力の問題かもしれないけど。
「ちなみに具体的には?」
何故聞くのか、アヤメさん。
まぁ単に「知ってるならとりあえず聞いとくか」って位だろうけど。
「一噛みで成人男性が死亡しますね」
「……あー、うん。そりゃ確かに難しいな」
「大丈夫だって解ってても、ちょっと怖いんだけど……」
まぁそうだろうね。
結構深く、がぶーって噛まれてたし。
「出血毒の類で、ゆっくりと全身の血管や内臓が破壊され、最悪の場合全身が内出血で紫色になり、体中の穴という穴から出血して死に至ります」
「なんで余計怖くなる事言うの!?」
……レティさん、面白がってるでしょ。




