1089:家の心配をしよう。
「む」
ん?
「どうした? ……あぁ」
何かと思ったら、アリア様に抱っこされてたシルクが、もぞもぞというかそわそわしてる。
アリア様は納得してるけど、どうしたんだろうか。
「シルク、どうしたの?」
「先ほどの衝撃で、家の中に置いている物が崩れていないか心配なのだろう」
コレットさんがシルクに向かって、無言で深々と頭を下げてる。
なんかさっきピクッて反応してた気がするし、珍しくうっかりしてたのかな。
「多少の対策はしてあるが、完全とはいかんからな。ほら、見てくるがよい」
おひざに乗っけてたシルクの両脇に手を差し込んで、風船を放る様にふわっと飛ばしてあげたな。
少し進んでクルっと回って、ぺこりとお辞儀してから家へ向かって行った。
「コレットにも手伝わせるか? ……ふむ、そうか」
アリア様の問いかけにピタッと止まって振り向き、ふるふると首を横に振る。
大丈夫ですーって事だな。
「あちらはシルク様の領域ですので」
「それもそうだな」
……メイドさんの縄張り意識みたいなものなのか?
いや、単にここではコレットさんも「お客様」だからって事かな。
それは置いといても、形はメイドさんでも王女様の側近なんだから、私達一般人よりかなり上の立場だろうしね。
普通ならあごで使われてもおかしくないくらいの差じゃないのかな?
「まぁあちらは任せておくとして、だ」
「あ、はい」
ぽむっと静かに手を叩いて話を戻してきたので、とりあえず返事をしておこう。
「とりあえず、叩いたりして壊すのは無理そうだってのは解ったねぇ」
「まぁ固定さえできてれば、元々異常なくらいの強度だしね」
空中で普通に障壁を作っても、それごと吹っ飛ばされるから無意味だっただけで。
壁自体がぶつかるのはノーダメージでも、押される勢いについていけずに壁に押し付けられて潰れるだろうからなぁ。
というかお姉ちゃん、予告も無しにコンコン叩くのはやめてくれないかな。
ちょっとびっくりするからさ。
「物理は無理だし魔法は…… まぁやるまでも無いな」
うん。
というか、魔法だと壊せたとしても私に効かないだろうし。
あ、それは張り直す前に物理で殴れば良いだけか。




