1086:手荒く試してみよう。
「では、触れるぞ」
「はい、どうぞー」
アリア様、ちゃんと断ってくれてるけど、さっき普通に掴んでたよね。
いや、別に良いんだけどさ。
「ふむ…… 多少手荒に扱っても大丈夫そうだな?」
「そうですね。……まぁ中に居る側としては、結構怖いですけど」
「まぁそうだろうな。だが、もう少しだけ辛抱してくれ」
「はーい」
いやうん、実際これ結構怖いんだよ?
大丈夫なのは解ってても、簡単に自分を握り潰せるでっかい手が、勢いよくどっかんどっかん突っ込んで来るんだからさ。
「……ふーむ、押しても引いても全く動かんな」
「まぁそうなる様に頑張ったわけですしね」
というか、今の勢いで押されてて手違いが起きてたら、今頃私は自室のベッドの上だな。
……またベッドの角に直撃かもしれないから、死ぬって意識出来た時はなるべく【浮遊】を維持しておこう。
「出番かなー?」
「お呼びでないって言って良いかな?」
「えー」
「いや、本気で怖いからそれ」
さっきのバットを持って立ちあがるんじゃない。
多分大丈夫なんだろうけど、そういう問題じゃないと思うんだ。
それ、私から見たら胴体よりも太い丸太なんだぞ。
あと多分エリちゃん側も、さっきの二の舞になるだけだと思うよ。
「中に居るのが私であれば、そういう事も大歓迎なのですが」
「カトちゃん、直前で解除しそうで怖いからなー」
「それもそれで良さそうですが、別腹ですのでやるとすれば二撃目以降ですわね」
「やらないでほしいって話なんだけどねー」
うん。
ただ私からしてみれば、エリちゃんも割とカトリーヌさんと同じ枠に居るからね?
方向性が限られてるってだけで。




