1085:噛み合わせてみよう。
くるーっとゆっくり回されて、元の向きに戻った所で手が離れて行った。
なんか最後に微調整してたのは、きっちり合わせてくれてたっぽいな。
「よし。怪我は無いかな?」
「あ、はい。大丈夫です」
ゆっくり回るのについていけば良いだけだったしね。
機械じゃなくて手で回してるから、微妙に加減速の調整が必要だったけど。
「ふむ…… あぁ、そうか」
「はい?」
「後からでも加工できるのだから、滑らぬようにしてやれば良いのだな」
「あ、なるほど」
壁面がまっ平らだからああやって回せるんだもんね。
何か引っかかるポイントさえ有れば、ああはならないだろう。
「でも綺麗にやるのは難しそう……」
試しに後ろを向いて、すぐ右に見えてる私の足に向かって手を突っ込んでみる。
ん、これだとこっちの右足側がへこむのか。
あ、普通に半回転してるだけなんだから、向こうの右手もこっちの右足に来るんだな。
って事は、左側も同じ様にしてやれば…… うん、左足のあたりの壁がへこんできた。
「でもなかったですね」
「それはそうだろう」
うん、まぁ考えれば解る事ですしね。
そういう位置関係だったからこそ、同じ向きで回ってたんだし。
「あ、こうすれば引っ張られても大丈夫かな?」
まっすぐにへこませてた障壁を、ぐにっと曲げてフック状にしてみた。
試しに背中を外壁に押し当てて…… も大丈夫だな。うん。
「ふむ」
私が試してるのを見て、アリア様が私の居るパーツを掴んで引っ張り始めた。
……大丈夫っぽいから良いんだけど、なぜあえて本体の所を掴むのか。
分身の所だとしても、ダメだった時は本体も死ぬから結局同じではあるんだけどさ。
「動かないな。少し試してみるが良いか?」
「はーい。お手柔らかにって言いたいですけど…… あれ?」
「む?」
「いや、これなら持ってなくても動かないなって」
「あぁ、上下で釣り合っているのだな」
がっちり組み合わせたおかげで、下に落ちる力と上に落ちる力がぶつかり合って、手を離してもその場から動かなくなった。
これなら衝撃とかでちょっとくらい揺れても、手を怪我したりしなくて済むな。
ちょっとじゃなかったら壁に叩きつけられて死ぬんだけど、そこはまぁ多分大丈夫だろう。
コレットさんが押せないくらいなんだから、変な抜け方さえしなければ問題は無さそうだし。




