1082:改善案を出してみよう。
障壁が元の位置に戻ってきたので、再度持ち手を作って自分で確保する。
「ありがとうございました」
お礼を言うとコレットさんは深々とお辞儀して、アリア様を座った椅子ごと元の位置に戻していった。
座ってる椅子をいきなり動かされても、まったく動じないのは流石だな。
「気になって試してはみたけど、実用性は無いよね」
「力の向きもだけど、上下にしか動けないみたいだしな」
「前後は当然として、背中合わせだから左右に動くのも無理だからねぇ」
……実際に動こうとするまで忘れてたけど。
「白雪さん」
「ん?」
おや、カトリーヌさんが横に来てる。
「ふっ」
「んん……?」
なんか障壁同士の合わせ目に手を置いて、グッと押してきたんだけど。
……ん?
結構強めに押してるみたいだけど、手元にはほとんど伝わってきてないな。
「あ、一応真横からにも完全に無力ではないのか」
なるほど、片方が押されるとその分反対側が手前に来るもんね。
押された力をそのまま返すなら、こっちへの影響はほとんどなくなるのか。
「片方だけに当たっていなければ、ですが」
「あー、うん」
返した力を受け止めてもらえなきゃ意味ないもんね。
障壁ごと横に吹っ飛ばされて終わりだよね。
「ふむ」
「何か有りますか?」
アリア様が何やら呟いてるので、とりあえず反応しておこう。
何か思いついたのかもしれないし。
「という事は分身を上下逆さに出しておけば、同じ理屈で対応できるのではないかな」
「あー、確かに」
左右逆になる事で横からの力に対応できてるなら、上下も同じ事なのか。
……余計に動けなくなる気もするけど、まぁ大差無いか。




