1079:繋がっているか確認しよう。
「まぁ無理に慣れる必要も無いか」
「あっさり諦めるねぇ」
「いや、そもそも分身自体をそうそう使わないだろうし」
使う様な場所だと、他の視界までチェックしてなきゃいけない様な危険も無いだろう。
無いだろうって言うか、無いから使うんだけど。
「ところで話は戻って魔法なのだが」
「あ、はい」
視界の話が終わったと判断したらしいアリア様が、話を戻してきた。
「出した物は固定されないという事は、糸などを集めるのには便利なのではないか?」
「あー、確かに。連動してないなら戻っても消えなさそうですしね」
まぁ「など」って言っても、今のところは糸と粉くらいだろうけど。
普通の魔法で出せるものなら、わざわざ私が増えなくても他の人にお願いすれば良いだけだしね。
「消えるかどうかという事の確認は必要だがな」
「そうですね。それじゃ早速」
さくっと解除、っと。
「ふむ、問題無い様だ」
「ですね」
さっき出した石は、ちゃんと五つとも机に転がってる。
見た感じは特に変化も無いみたいだから、糸も多分大丈夫だろう。
「では、先に出してから分身した場合はどうなのでしょう?」
「固定されるのかって? んじゃ、そっちも試してみよう」
レティさんの疑問に答えるべく、魔力製のボールを出してから分身だ。
今度は正面に向かい合う形で、一体だけ出してみよう。
「うわ目つき悪っ」
「普段から鏡で見てるでしょー?」
うん、現実でだからもっと凶悪なのをね。
「言ってみただけだよ。でもやっぱ、鏡で見るのとは微妙に違うよね」
「まぁ左右が逆だしね」
うん、単純に違って見える上に、動きも逆だからちょっと変な感じだな。
「で、ボールだけど…… 自分で持ってちゃ解らないか」
「では失礼して」
「よろしくー」
両手に乗せたボールを、カトリーヌさんに横から持ち上げてもらおう。
「おや、これは繋がっている様ですわね」
「みたいだねぇ」
向かいの私が持ってたボールも浮いちゃってるな。
この場合は繋がる、と。
「それじゃ、これはどうかな?」
「繋がっていない様ですわ」
返してもらったボールを一旦消して同じボールを作り直してみると、今度は向かいのボールは手に乗ったままだった。
「増えた後に出すものは別の扱いっぽいね」
「連動させたい場合は、先に出しておかないといけないんですね」
「そうだろうけど……」
そんな事は有るんだろうか。
ああ、さっき言ってた罠みたいな使い方とかか。




