1078:端に寄せてしまおう。
「まぁ確かに、端に退けておければまだマシだろうけどねぇ」
「頑張ったら調整とか出来ないかな?」
「いや、頑張るって言っても……」
どうしろと言うんだ。
そう表示してーって思いながらもう一回やってみるとか?
「とりあえず、視界の左上にこう、あっちの視界をギュッと……」
「どしたん?」
「いや、うん…… 出来た」
「えー」
えーと言われても、なんか出来たんだからしょうがないじゃないか。
「この辺」って指で示してから「ギュッ」と縮めるジェスチャーをしたら何とかなるなんて、こっちだって思う訳が無いんだしさ。
「意外と融通が利くのかな?」
「開発にからかわれてる様にも見えるな」
うん、どっちかっていうとアヤメさんの意見の方に同意したい。
いろいろ仕込まれ過ぎてて、普通に便利にしようと思って実装してたとしても、疑いの目を向けざるを得ないんだ。
「あー、でもこれも慣れないと結局ダメだなぁ」
「マシなだけー?」
「気持ち悪くないし普通に見えはするんだけどさ」
「あー、視線?」
「そうそう。今は左上に配置してるから、つい左上に目を向けちゃう」
そっちを見なくてもちゃんと認識できるはずなんだけど、意識を向けようとすると反射的に目が動くんだよなぁ。
これ、訓練するにしてもなかなか難しそう。
「で、目を動かしちゃうと分身も連動してるから、結局見ようとした物は見えないって事かー」
「そうそう」
話が早い…… って思ったけど、ちょっと考えれば解る事か。
分身が「今」見てる物を見たいのに、それを見るために分身の視界まで動かしちゃうんだよね。
「というかこれ、圧縮したせいなのか普通の視界より少し透明度が低くなっててさ。配置した場所が死角みたいになってるなぁ」
一応見えてはいるけど、反応はちょっと遅れるかもしれないな。
分身の視界と混ざったら迷いそうだし。
「さっきと同じ感じで、本来の視界の外に追い出せないかな?」
「んー…… あ、出来た」
出来たのは良いんだけど、これ慣れないと違和感がさっき以上かもしれないな。
下手したら視線を上にやり過ぎて、白目剥いてるみたいになるんじゃなかろうか。




