1077:視界を調整してみよう。
そんな事よりも視界を何とかしないと、まともに動く事も出来ないな。
いや、解除すれば良いだけではあるんだけどさ。
「あー…… ダメだ、やっぱ酔いそう」
「別に諦めて良いんじゃないか?」
「まぁそうなんだけどさ」
使い道が無い訳じゃないんだろうけど、頑張るほどの必要性を感じないもんなぁ。
そもそも増えること自体が、ここみたいに安全な場所じゃないと危な過ぎてやりたくないんだし。
「雪ちゃん雪ちゃん」
「ん?」
「全部じゃなくて、どれか一体だけの視界を拾ったりは出来ないの?」
「あー、どうなんだろ?」
そういえば、特に指定せずに取得したせいで、自動的に全部拾ってるのかもしれないな。
それじゃいったん解除して、と。
「試しに右の視界を拾ってみよう」
ちゃんと対象を意識して、と。
「あ、出来た…… けど」
「けど?」
「いや、二つ重なるだけで十分気持ち悪いなって……」
「あー……」
うん、五重に比べれば、大分マシではあるんだけどね。
ダメなものはダメだよね。
「重なるんじゃなくて視界の外側に追加で表示してくれれば良いのにねー」
「いや、それはそれで混乱しそうなんだけど……」
普段見えてる範囲の外側に出られたら、分身が見てる物をつい自分の目で見ようとして、変な動きしちゃいそうだよ。
それも慣れなんだろうけどさ。
そういえば複眼の生き物とかって、そんな感じに見えてるのかな?
いや、解りようも無いしどうでも良いんだけど。
「あー、あとアレだね」
「アレじゃ解んないけど何?」
「ほら、テレビとかでよくある、隅っこに別の小さい画面が出てる奴みたいな」
「あー、ワイプっていう奴だっけ?」
「そうそう、あの何の関係もないおじさんとかを無駄に画面に突っ込んでくるやつー」
……妙にトゲが有るんだけど、嫌いなんだろうか。
まぁ時々思わなくも無いけどさ。




