1075:用意されてた機能を試してみよう。
あれ?
そういえば、なんか分身の見てる物も見られるみたいな事が書いてなかったっけ。
「どしたの?」
「いや、スキルの説明に分身の視界も使えるって書いてた気がして。あ、やっぱり有った」
「あぁ、そういえば有ったね」
「っていうか、書いてある仕様なのに試してなかったんだな」
「単純に忘れてた」
これに限らずだけど、書いてない変な仕様が多すぎるんだよ。
書いてないだけでよく考えたら察せる事も結構有るけどさ。
「まぁとりあえず、さっそく試してみようか」
「気を付けてくださいね」
「……流石に危険は無いんじゃない? 一応警戒だけはしておくけど」
カトリーヌさんは何を心配しているんだろうか。
視界とかを拾うだけなんだし、別に危なくは無さそうなんだけど。
まぁ忠告通りに警戒しつつ……
「どうやるんだろう」
「解んないよ?」
うん、そりゃ知らないよね。
まぁいつも通り、視界を共有したいとか見たいとかそれっぽい事を念じてみれば……
お、視界がぼやけ……
「うぇ何これうわ気持ち悪っ」
「雪ちゃんがここまで早口なのは珍しいね」
うっさいよ。
こっちは視界がぐちゃぐちゃに混ざってそれどころじゃないんだ。
とりあえず、維持だけはしたままで目を閉じておこう。
このまま見てたら酔いそうだし。
「なんていうか、視界が酷い事になった……」
「『全て同時に』と書いてありましたものね……」
「気付いてたなら言ってよ…… いや気をつけろとは言ってたか」
そこで何を警戒してるのか、ちゃんと聞かなかったこっちが悪いな。
最初から全部言ってよと思わなくもないけど。
「まぁ閉じてても仕方ないし……」
慎重に少しだけ開いてみよう。
「うぇー、やっぱ気持ち悪いなぁ」
変に重なってるっていうか、同じ物がちょっとずつ違う位置に違う角度で見えてたりして、違和感が凄い。
この視界から情報をまともに拾うって、相当慣れないと無理なんじゃないか?
「溶けている時なども独特な視界ですが、それとも違うのでしょうね」
「溶けた事無いから判んないかな……」
その辺はカトリーヌさんが覚えた時にでも確認してくれれば良いと思うよ。
こっちに溶ける予定は無いし。




