1069:謎の嫉妬を受けよう。
「むぅ、私がお姉ちゃんなのに」
「そう言いたいなら、もうちょっと落ち着きを持とうね」
「……うん」
ちょっとテンションが上がるだけで人が変わったみたいに暴走するんだから、こういう一歩間違えたら死ぬ様な状況だとあんまり信用出来ないんだよ。
よそ行きと言うか、私が絡んでない時の落ち着いたお姉ちゃんなら十分に頼れるんだけどなぁ……
「にしても、ちょっと落ち着きすぎじゃないか?」
「まぁそうかもしれないけど」
そうは言っても、なんか落ち着くんだから仕方ない。
……いや、シルクはなんでちょっと悔しそうな顔になってるんだ。
自分じゃ出来ない抱っこの仕方で私がリラックスしてるからか。
そこで競う意味が解らないんだけど、まぁ何かお世話係としてのプライドみたいなものが有るのかもしれない。
……なんか、後で凄く愛でられそうだな。
まぁご機嫌を取る意味で諦めておくのが正解か。
こっちとしても、別に痛かったり疲れたりする訳じゃないし。
「悪戯するにしても、やって良い事かどうかの線引きはしっかりしてる人だって知ってるしねぇ」
「私以外にはな……」
「やって良い事しかやってませんよ?」
「これだからな」
「まぁうん、仲良しだよね」
確かにレティさん、アヤメさんにだけはやたらと過激だよね。
ツッコミとはいえ、普通に石投げつけたりしてたし。
「っていうかお姉ちゃんのアレはともかく、意図的にやったら色々とマズい事になるでしょ」
「冗談で犯罪者にはなりたくありませんしね」
「まぁな」
死ぬのが解ってて握りつぶしたんだったら、流石にPKの判定が出るだろう。
しかもすぐ傍に、最強のお仕置き要員達がズラッと並んでるし。
流石のレティさんでも、この人達相手じゃ抵抗さえできないでしょ。
「さて。やる気は無くても事故の可能性は有りますし、この辺で止めておきましょう」
「はいはーい」
力を抜いたレティさんの親指を、両手でぷにーっと押してみる。
最初の頃、手から落ちない様にってこれに頑張ってしがみついてたんだよなぁ。
まぁ数日前の事だし、懐かしいってほど昔の事ではないけど。




