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VRMMOで妖精さん  作者: しぇる


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1060/3920

1060:もう片方も見てみよう。

 無視するのもなんか悪いし、「ダメでーす」って事で両手でバッテンを作っておこう。

 あ、しょんぼりした。


 何度も言ってるけど、管理するのが仕事なんだから倒れられたら困るんだってば。



「白雪」


「あ、はい」


 アリア様に呼ばれて振り向いたら、指先に帽子を乗せて差し出してきてた。

 とりあえずは問題無いみたいだから、素直に受け取っておこう。




「まぁ【妖精山脈】の方はなんとなく解ったから良いとして、もう一つの方はどうなんだろう」


「ダメそうなのは解ってるんだから、とりあえず開いてみなよ」


「前半は言わなくて良いよね?」


 どうせ事実だろうけどさ。


 まぁ言ってても仕方ないし、素直にスキルパネルを出してみるか。



──────────────────────────────

 【蜃気楼(ミラージュオブアンプ)】 基本消費MP:300  [設定]

  自らの完全なる複製体を生成し、周囲に配置する。

  生成数及び配置する座標は、任意の調整が可能。


  効果中は、操作する個体(本体)を自由に変更する事が出来る。

  本体以外の複製体が受けている視覚等の情報を、全て同時に確認する事も可能。


  複製体の生成に要する消費MPは、同時に生成する量が増えるほどに緩和されていく。


  なお、複製体の設置パターンは専用のUIによって五つまで保存が可能である。

──────────────────────────────



「うん、まぁ分身の術っぽい感じの名前ではあったし、あんまり意外ではない感じ?」


「……なぁ」


「ん?」


 アヤメさんがめっちゃ怪訝な顔してる。

 気になるポイントが有ったかな?



「これ、やっぱり絶対に罠が有るだろ」


「どの辺?」


「いや、なんで増やしたら消費MPが減っていくんだよ。そりゃまぁ一体当たりのだろうけどさ」


「……あー、確かに」


 大体の魔法、規模を広げれば広げるほど加速度的に消費は増えていくもんなぁ。


「増えれば増えるほど、デメリットも増えていくって事なのかな」


「実際の所はやってみないと判らないけど、やっぱりそうなんじゃないか?」


 うん、まぁやってみるのが一番早くて確実だな。

 どれだけ議論してみても、正解かどうかは結局確認しなきゃいけないんだしね。



「専用のUIというのは、どういった物なんでしょう?」


「あ、そうだね。まずはそっちを開いてみようか」


 なんかスキルパネルの一番上の方に設定ってボタンが有るし、これを押してみれば良いんだろう。

 ポチっとな。



 お、パネルの表示が切り替わった…… って、なんか正面にほわっとした光が浮かんでる。

 おや、人の形に……っていうか【妖精】の形になった。


「あ、これが自分って事かな?」


「配置の基準点という事ですね」


 多分レティさんの言う通りなんだろうな。

 こっちに背中を向けてるし。



「えーと…… あ、これか」


 追加ってボタンが有ったのでポチっと押してみる。

 あ、隣にもう一つ、ちょっと青みがかった光が出てきた。


「これ、出した後はどう操作すれば良いんだろう?」


「手で直接触ってみたら?」


「ちょっと怖いけど…… あ、触れた」


 光で出来た人形の腰のあたりを摘まむと、普通に持つ事が出来た。

 少し動かして離してみたら、その位置に留まってる。


 という事は、お姉ちゃんの提案で正解だったらしいな。



「これ、向きもちゃんと意味が有るのかな?」


「光のボールじゃなくてわざわざ人の形になるんだし、有るんじゃないか?」


「それもそうか」


 ……って、一体置くだけで百も消費MPが増えるのか。

 いや、でも自分の分身を作るのに、たった百で済むなら逆に異常なのか?


 しかもこれ、増やせば増やすほどコストが安くなっていくんだよね。

 ……うん、絶対に酷いデメリットが有るな。


 もう一回死ぬくらいの覚悟はしておこう。




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― 新着の感想 ―
[良い点] うん、わかりました。 妖精さんの敵キャラはモンスターなどではなく 運営なんですね。 読んで楽しませていただいています。 ありがとうございました。
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