1058:自分で斬ってみよう。
「とりあえず、ちょっと切っておいてみようかな」
「一本行っとくの?」
「いや行くわけないでしょ。あんまり痛くないって言っても限度が有るんだから」
なんで気軽に指やら腕やら落とさないといけないんだ。
傷が残ってるかどうか判れば良いだけだってば。
「と言うか、治らなかったらどうするんだって話だろ」
「あ」
「考えてなかったんですね」
お姉ちゃん……
いやうん、さっきの返事だと私も気付いてないみたいに聞こえるけどさ。
とりあえず、魔力で小さいナイフを作って、と。
前腕に軽く線を引く感じでやってみよう。
「うぅ、鈍い痛みが……」
「サッとやらないと、余計に痛いぞ?」
「解ってるけどなんか怖いし……」
うん、じわじわ斬っても痛いだけなのは解るけどさ。
浅すぎても判りづらいけど、深くいくのは怖いし。
「私が習得していれば、喜んで試すのですが」
「いや、あんたがやったら普通に引く光景になりそうだから」
……うん、たぶん実験ですからとか言って限界までやるよね。
下手したら、解除する時には頭だけになったりしてそうだよ。
「ちょっと判りづらいけど、これ以上深くやるのは怖いしこれで良いか」
「鋭すぎてぴったり閉じてるしな。まぁ治ってなけりゃ痛いから判るだろ」
うん、ちょっと切れ味が良すぎたかもしれない。
逆に鈍くてゴリゴリやらないといけなかったら、ちょっと怖くてやれそうにないけど。
いくら痛くないって言っても、やっぱ抵抗が有るよね。
「んじゃ、戻る…… 前に、カトリーヌさんは離れた方が良いんじゃないかな」
「接触していたらどうなるのかも、せっかくですので試してみましょう」
「離れたくないだけじゃないかな…… まぁ良いけどさ」
多分、普通にすり抜けるだけだろうしね。
まぁ何か有ったとしても、カトリーヌさんならなんとかするだろう。
……私の方に被害が発生したらどうしよう。
まぁうん、なんとかなるでしょ。
死んだら死んだで戻ってくるだけだし、怪我したとしても治せる人が近くに居るしね。




