1057:付属品を外してみよう。
「とりあえず、試すのはこれくらいかな?」
「うむ。後は戻る時の事だろうな」
「あ、そうですね」
何度も試すのは手間だし、出来るだけまとめて試しておきたいところだな。
とはいえ、何が有るかな?
「とりあえず、これが壊れたらどうなるか、ですかね」
帽子を手に取って、ぽふぽふと叩いてみる。
ちょっともったいないけど、やってみろって言うなら試すしかないよね。
「それと、外したまま戻るとどうなるか、もな」
「あー」
それも試しておいた方が良いのか。
方が良いっていうか、せっかくだしやっとこうかって感じだけど。
「普通に考えれば一緒に消えるだけだろうけど、一応ってとこですね」
「うむ」
アヤメさんの確認に頷いて、こちらに手を差し出すアリア様。
「それは寄越せって事で良いんでしょうか」
「うむ」
再度頷いたので、とりあえず近寄って逆さにぽふっと乗せてみた。
壊さない様に扱うのは大変だろうけど、壊してみようって話だから別に問題無いか。
「ふむ…… おお、これは確かに脆いものだな」
アリア様が帽子のつばをそっと摘まんで引っ張ると、なんの抵抗もなくそこだけがむしり取られた。
というか摘まんだ時点で取れかけてたっぽいな。
私が触ってあの感触だった帽子があれだけ脆いなら、私もあれと同程度って事だし、そりゃ体当たりされたら散る事になる訳だ。
「……気になるな」
「いや、なにやってんですか」
なんでむしった帽子を口に入れてるんだよ、アリア様。
子供じゃないんだから、なんでも口に放り込むんじゃありません。
「むぅ」
「大丈夫ですか?」
さっきお姉ちゃんが思いっきり浴びても問題無かったんだから、【妖精】の毒は無いとは思うけど。
単純にあれ、帽子だしなぁ。
「あぁ、問題無い…… いや、大問題かもしれないな」
「はい?」
「実に美味い」
「えぇ……?」
なんでだよ。
……あー、【妖精】は美味しいらしいし、その体と同じ素材で作ったコピーだからか……?
まぁ例によって、自分だと全く判らないやつだろうけどさ。
「これは、これを目当てに襲われても、おかしくないと言っていい、代物だな」
ぱくぱくと食べながら言わないでほしいんだけど。
それこそもっと食べたいって襲われそうな気がしてくるし。
「皆も試してみろ」
「わーい。失礼しまーす」
……お姉ちゃん、何真っ先に貰いに行ってんの。
まぁうん、体じゃないだけマシだけどさ。
結局コレットさんやジョージさんも含めて、【妖精】以外の全員に配布されてしまった。
コレットさん、澄ました顔のまま地味にぴこぴことウサ耳が動いてるの、なんだか可愛いな。
あと、どうやら召喚獣たちにとっても美味しいらしい。
……もっとよこせって襲ってくるような子達じゃなくて良かったよ。
「にしても、もう半分も残ってないじゃないですか」
「残りもかぶりつきたいところだが、そうなると経過を見る事が出来んからな」
「まぁ、それはそうですね」
そのまま残るって可能性がゼロじゃないんだから、この時点で全部無くなるってのは良くないだろうな。
本当に言いたいのは、みんなして食べてんじゃないよって事だけど。
「それじゃ……」
「あぁ、ちょっと待った」
「はい?」
おや、ジョージさんからストップが。
まだ何か有ったかな?
「試したか無いだろうが、今の状態で負傷したらどうなるか、ってのも確認した方が良いんじゃないか?」
「あー…… 確かに」
気にならないでもないな。
まぁうん、何かされたら大抵即死だろうし、意味が有るかは微妙なところだけど。
あぁいや、普段より大きいんだから、腕だけとか脚だけとか、一部だけがぶつかる可能性は高くなってるのか。
無駄ではなさそうだけど、実験でそこまでのダメージを負うのも嫌だなぁ。
まぁちょっと傷をつけておく位で良いか。
痛みには鈍くなってるから、少しならそんなに痛くもないだろうしね。




