1047:一応脱いでおこう。
「まぁ、とりあえず試してみるかぁ」
「いやいや待て、ここでやるな」
「あ」
確かに、どういう効果が出るにしろ机のど真ん中でやる様な事じゃないな。
何か有っても良い様に、空きスペースに移動してからにしよう。
「下手すりゃ私が踏まれる羽目になるじゃないか」
「それは」
「やかましい。そんな何度も平らになってたまるか」
カトリーヌさん、解って言ってると思うけど普通の人は喜ばないからね。
……踏むのが【妖精】だったら喜びそうな人が多いのがどうかと思うけど。
まぁアヤメさんはそういう枠じゃないし。
「そうだ、痛んだりしても困るし、これも脱いどこうか」
貰い物の服だし、贈り主が目の前に居るし。
粗末にするのは申し訳ない。
……攻撃魔法撃ってもらう時、うっかり着たままだったけど。
まぁうん、無事だったからセーフセーフ。
「うむ」
ん?
あぁ、シルクがこっちに行ってきて良いですかって確認したのか。
脱ぐくらいは自分で出来るけど、シルクは見逃してくれないよなぁ。
……いや、正直スムーズに脱げる自信はあんまり無いけど。
翅が有るから、ちょっとひっかけてあわあわするかもしれない。
「それじゃ、お願…… ありがとう」
すーっと寄ってきたシルクに声を掛けたら、私の言葉が終わる前に服がシルクの手の中に移ってた。
まぁいつもの事だな。
「うん」
では戻りますと頭を下げるシルクに頷いておく。
とりあえずアリア様が良いって言うまでは、あそこが定位置らしいな。
「じゃあ行ってくるね」
「ああ」
その場で待機するアヤメさん達に手を振って、少し開けた場所へ移動する。
これくらい離れてれば、まぁ問題は無いかな?
「よし。それじゃ、今から試してみまーす」
「うむ」
一応アリア様に手を振って、開始の宣言はしておく。
目の前のシルクに気を取られてるタイミングだと困るしね。
私は困らないけど。
……っていうかシルク、人の服をモフっと顔に当てるんじゃありません。
しまっておきなさい。
まぁうん、諦めて置いておこう。
今やるべき事をやるのだ。
「せーの、っと」
アレを口に出すのは若干恥ずかしいので、念じて発動する方向で。
おや、視界が白くなってきた。
あー、再構築って書いてあったし、【神隠し】を受けた人みたいになってるのかな……?




