1042:徹底的に壊そう。
あー、明らかにもうダメだなって音が鳴っても止めないのね。
気にせずに同じペースで、どんどん後ろに倒れていってる。
犬のお兄さん、モニカさんの体を挟んでだけど限界まで曲げられちゃったよ。
いや、人体の限界はとうに超えてたけど。
何気に途中から腕にも力を込めてるらしく、肩回りも背中側にへし折られて畳まれてるし、頭も思いっきり前に押されてるせいで顎が胸にめり込んでるっぽいし。
……あれは首もヤバいだろうけど、顎と胸のどっちが壊されてるんだろうな。
……ん?
え、まだ放さないの?
もう完全に横になってるし、倒れようが…… って、潰れた肩回りでも抜けない様にさらに締め付けながら、少し前屈みになってた状態から背伸びするみたいにのけ反って引っ張り始めた。
もしかしてあれ、へし折った胴体を引きちぎるつもりか?
なんでグロい方向に持って行こうとするんだ、あの人。
いや、むしろなんであのお兄さん、あれでまだ生きてるんだ。
どういう根性してるんだ……
というか根性でなんとかなる問題なんだろうか。
普通に体力がなくなって死亡判定されそうなものだけど…… まぁなんとかなってるんだし、なんとかなるのか。
その問題を超越してそうな【妖精】が、すぐ横で良いなーって顔で見てるし。
あ、そう思ってたらグロくなる一歩手前で消えて行った。
いや、あれだけ変形してたら十分グロいって言えるけどさ。
消える直前とかお腹から血が出始めてたし、モニカさんの両腕が殆どくっついてたって事は、お兄さんの肩は完全に押しつぶされてたって事だろうし。
っていうか首からも血が出てたけど、あれは首も落とそうとしてたんだろうか。
やりかねないっていうか、多分そうなんだろうな……
「なんていうか、両方すげーな……」
呆れと感心が半分ずつな感じのアヤメさんの感想が聞こえてきた。
「モニカさんは置いといても、なんであそこまで生きてられるんだろうね……」
「素晴らしいですわ」
いや、そうか?
無駄に凄いとは思うけどさ。
でも普段あそこまで耐えられても、あんまり意味無いんじゃないかな。
……まぁ消えるまでの時間が長ければ、蘇生してもらえる猶予も長くなるって事だし、一応無駄ではないか。
カトリーヌさんじゃなければ、苦しいどころの話じゃないだろうけど。




