1018:手を振ってあげよう。
まぁアリア様が居なくて咎められなかったとしても、何やってんだって反応するしかなさそうな行動だし、放っておくとしよう。
っていうかあそこ通らないし、飛び出てきてもあんまり驚けないと思う。
「叱られるだけじゃ可哀想だし、手でも振ってあげたら?」
「自業自得だと思うけどね……」
別に減るもんじゃないし、そのくらいは良いけどさ。
ばいばーいっと。
……手を振った瞬間に隠密さんがこっちを向いて、しゅたっと気を付けの姿勢になった。
いや、今のは別に隠密さんに振った訳じゃないんだけど。
なんか尻尾がめっちゃ激しく、ブンブンと音がしそうな勢いで振られてるし。
褒められたわんこみたいになってるんだけど、振り過ぎて横に座ってるお兄さんの顔にベチベチ当たってるぞ。
……まぁなんかちょっと嬉しそうだから、それは別に良いか。
「相変わらずの様だな」
「困ったもんです」
アリア様は面白がってるけど、ジョージさんはまったくもうって顔してる。
まぁ当たり前か。
「お姉さんに振った訳じゃないんですけどね」
「解っててやってるに決まってんだろ」
そりゃそうか。
隠密さんだし、このくらいの距離で聞き取れない様な耳はしてないよね。
「能力は有るんだがな……」
「構ってちゃんって感じですか?」
「身も蓋もねぇな。まぁ間違っちゃいねぇが」
お姉ちゃん、ストレート過ぎない?
っていうかそれ、隠密としてどうなんだ。
いや、ジョージさんが評価してるくらいだし、ちゃんと仕事はこなすんだろうけどさ。




