1017:変な人は放っておこう。
……まぁうん、良いんだ。
今の私には珠ちゃん達が居るもんね。
所詮ゲームのキャラクターだのなんだの言う人が居るかもしれないけど、現実じゃ私には無理なんだから、こっちの世界に頼るのはしょうがないのだ。
いや、まぁ現実で私にそうやってケンカ売ってきそうな人なんて、今まで一人も会ったこと無いんだけど。
おっと、また変な方向に思考が飛んでたな。
ぶつかったら相手の人が困るんだから、ちゃんと警戒はしておかないと。
現に今も、角で鉢合わせる様なタイミングじゃないとはいえ、右の建物の向こうから人が近づいてきてるし。
……ん?
なんか向こうの人の気配、立ち止まったと思ったら建物の壁にくっついて座ったっぽいぞ。
また妙な人が物陰に隠れたんだろうか。
あ、ちょっと建物から離れたかな?
でもそのまま動かないな。何してるんだろう。
「……あれは何をしてるんだろう」
「なんか叱られてるっぽいねぇ」
交差点に進入してついでに右側を見てみると、なんか見覚えのある犬の隠密お姉さんと、その正面で座らされてるっぽいお兄さんが居た。
なるほど、動かないんじゃなくて動けなかったのか。
相手が隠密さんなら、私には探知できないもんなぁ。
「物陰からばーんって出てこようとして、紛らわしい行動を取ろうとするんじゃないとか言われてるんじゃないかなー?」
「そんな所だな」
エリちゃんの推測にジョージさんが頷く。
ばーんって出てくる意味が解らないけど、目立ちたかったんだろうか。
カトリーヌさんも、最初に会ったときヌルって出てきたし。
あれどうやって詰まってたんだろうな。
「やっぱかー。キャロちゃんも居る事だしねぇ」
……あぁ、アリア様の事か。
そこで呼ぶ人がエリちゃんしかいないから、反応が遅れそうになるな。
今は反応する必要が無いから良いんだけど。
「少し申し訳なくもあるが、構わんと言う訳にもいかんからな」
「まぁ行動は完全に不審者のそれですし、お説教で済むなら良い方なんじゃないですかね」
いや、そんなーって顔で見られても困る。
王族を奇襲しようとしてるって取られても仕方ない行為を、どう擁護しろって言うんだ。




