ため息
「お納め下さい。ルンブラ堂の焼き菓子詰め合わせです。」
目を見開きやっぱり!と笑っている。嬉しそうにお菓子を受け取り、ココの美味しいのよねって早速開けている。
「マリエ様お付き合いを?」
「はい…昨日我が家に来て申し込まれました。」
「あらあら。恋愛事は思ったら直ぐの方なのね。意外だわ。慎重なのかと思っていたわ。」
「生徒会ではそんな感じなのですか?」
「冷静沈着で思慮深い方よ。周りに平等だし誰かに固執するのなんて見たことないもの。だからお祭りの時、あれ?って思ったのよね。」
知らなかった…令嬢の皆さんもっと狙っていくべきだったみたいですよ?高嶺の花がこんな簡単に落ちるなんて思わないよね。はぁぁぁ。バレた時が怖い。
「マリー!おはよう。バッセル嬢には会えた?朝迎えに行けなくてゴメンね?」
教室がざわついている。あぁ…この人に口止めするの忘れてた!口を押さえると手の平を舐められた。
「ちょっと!舐めないでよ!」
「可愛かったからつい。」
「マリと会長は付き合ってるの?」
ソフィに聞かれリリが頷いている。やめてー!私が虐められたらどうするの!!
「凄い!!どうやったの?どっちから??」
何故か周りの令嬢達は好意的だ。向こうからと答えたらキャーと色めき立っている。え?そんな反応なの?
「マリおめでとう。手伝いから?」
「そうなるかな?ソフィ後で話聞いて。」
「もちろんよ!マリと恋バナできるなんて嬉しいわ。」
恋バナというか1度冷静に判断をして欲しいだけなんだけど…私はまだ感情も頭も追いついていない。
「はい!何でも惚気て下さい。」
「違うの。私まだ追いついてなくて…戸惑いだけが勝っているのよ。」
「申し込まれて受けたんでしょ?」
ソフィは不思議そうな顔をしてる。確かにその通りなのだけど、追いつかない。
「前日と当日は普通にお手伝いしたのよ?そうしたら昨日兄に挑んでたの。」
「あのお兄様に?」
「申し込むなら挑んでこい!を本当に挑む人がいるなんて…2日話しただけだよ?そんな事すると思う?」
「…確かに。好かれているけど好きか分からない内に、付き合うことになったと。押し強いんだね。」
「本当気付けばあの状態よ。すでに甘々なのよ。」
「もう流されとけば?あんな会長見たことないし、きっと逃がしてくれないよ。流された方が楽よー。」
はぁ…ため息ばかりついてしまう。良いアドバイザーがいない。私リリの事好きなのかな?人としては好きだけど…わからない。
「貴方待ちなさい!リアム様とお付き合いするなんて図々しくわよ?!」
「ですよね?!私も思います!」
「は?…さっさと身を引くのよ!リアム様は私がお付き合いするのだから!本当の彼女は私なんだから。」
「はい!すいません!私が言っても聞かないのでちょっと一緒に行って、話つけてもらってもいいですから?」
どういう事よ?!と叫ぶ可愛らしい令嬢を連れ生徒会室へ向かう。放課後はここに居るって言っていた。
「会長居ますか?」
扉をノックしてから中に問いかける。ルディ様がいて奥にいるよって教えてくれる。招き入れてくれ知らない令嬢に驚いている。
「誰?」
「わからないの。でも本当の彼女らしい。」
「は?マリエ様何故そんな方を…」
「マリー?来てくれたの?」
「本当の彼女さんを連れて来ました。はい!どうぞ!」
え…と令嬢は戸惑っている。というか私以外が戸惑っている?
「えー…っとマリーどういう事?私の彼女は君だよね。この令嬢は誰?」
「リリの本当の彼女らしいです。」
「頭痛い…牽制とかで無く本当に思ってる所が怖い。バッセル嬢は令嬢をお帰り願って、マリーはこっちに来て。早く。」
腕を引かれ奥の部屋に連れて行かれる。奥にこんな部屋あるんだー。初めて来たから知らなかった。キョロキョロ周りを見ていたら、座ってと声をかけられる。
「私とマリーはお付き合いしてるよね?」
「はい。昨日からそうですね。」
「では何故ほかの令嬢を連れてくるの?他に行けって事?」
隣に座り責められる。とても怒っている。怒る顔も綺麗だな。
「…違う事考えてるでしょ?」
「怒る顔も綺麗だなって。」
髪を一房取り撫でられている。近くで見たら肌ありえないくらいきめ細やか。瞳も綺麗と思っていたら目の前にいて軽く唇が重なった。
「可愛い顔で見てるマリーが悪いんだよ?」
「もう1回して?」
リリの瞳に熱が籠り、頬をそっと撫で口付けをされる。嫌じゃ無かった。綺麗なリリが私に縋る様子に何故か刺さってしまった。
「私の事好き?離さない?」
「好き過ぎておかしくなりそう。だから他の令嬢に譲ろうとしないでよ。」
手をそっと握り縋るようにお願いされる。指先に口付けされ、ね?と首を傾けるリリが可愛い。
「一生私だけって約束できる?」
「もちろん!じゃなかったら兄上に挑まない。私ほどマリーに本気な男はいないよ。」
「可愛い。一生私にだけ恋焦がれてね?」
リリの腕の中に体を預ける。ずっとマリーだけだよって抱きしめてくれ、髪に口付けが落とされる。この先好きになれると思う。この綺麗で可愛い人に、一生縋り続けて欲しいと思う私はどこかおかしいのかも。
「お兄様どうやったらリリを一生離れなく出来るかしら?」
「お、マリも発症したのか?」
「え?」
「我が家の血筋は愛が存分に重たいらしい。挑んでくるくらいなら、受け止めてもらえるだろう。良い相手選んだな!俺はまだそんな相手に出会えない。羨ましいな。」
「では、お兄様のお相手には私が立ちはだかりますわ。首を長くしてお待ちしております。お兄様もリリを一生逃さないよう、憧れの騎士様でいて下さいね。」
「ハハハッ!頼もしくもあり恐ろしい妹だよ。」
捕まえたはずが捕まっていたなんてリリは思わないだろう。向こうも重たそうだしきっと大丈夫なはず。閉じ込めるのは嫌だし自由にしてもらいたい。心だけは一生私に囚われていてね。




