ノイズの正体 ――それは女神の『傲慢な朱入れ』でした
ギルドマスター・バルトロメウスが、激しい咆哮を上げた。
「舐めるなよ! 今の俺は、物語の『結末』を委ねられた選ばれし代筆者なのだ!」
刹那、青空だったオアシスの天辺から、おぞましい「朱いノイズ」が降り注いだ。
「……っ、まさか……!」
リリアーヌの顔色が、劇的に変わった。
「今頃気付いたのか? ああ……エクリチュール様。感じます、貴女の指先が、私の魂をなぞるのを……。書き込みなさい、この世界に、貴女の望む『残酷なまでの平穏』を……!」
降り注ぐ朱いノイズを浴びて、バルトロメウスは「文字の鎖」を震わせる。
陶酔した声と共に、それを取り込んだ。
「……やっと、尻尾を掴まえましたわ」
リリアーヌの瞳が、怒りと確信で黄金に燃え上がる。
「運命を掻き乱してきた忌々しいノイズ……。正体が、エクリチュールの『強引な加筆』だったとは!」
バルトロメウスの解き放つ、朱い「筆跡」が、重圧となってリリアーヌを襲う。
だが、万年筆で一閃して、力強く前へ踏み出した。
「笑わせないでくださる? 鎖で縛られた操り人形の分際で! そんな独りよがりな朱ペン、叩き折って差し上げますわよ!」
リリアーヌは万年筆を強く握り直した。
黄金のペン先から滴るインクが、鮮烈な「拒絶」の軌跡を描き始める。
第096話、最後までお読みいただきありがとうございます!
ついに判明した「朱いノイズ」の正体。
大切な人たちの運命を翻弄してきた「女神の筆先」に対し、真っ向から立ち向かうリリアーヌ様。
次回も、どうぞお楽しみに!




