【※悲報】カイル陛下、猫型獣人の肉球により魔導大陸へホームランされる
夜行魔導船の船倉から這い出してきたのは、ステラリア国王・カイル陛下と、メルヴィル伯爵の愛猫・ミーニャだった。
先ほどまで展開されていた、リリアーヌの聖域を被ったマクシミリアンによる「文字化け突破劇」。
ミーニャは、全身の毛を逆立てて憤慨する。
「ミャーミャーッ! (マックスったら……許せませんわ! リリアーヌ様の下着を被って聖域のバフを纏うなんて、あるまじき行為です!)」
憤る猫を見下ろし、カイルは深いため息をついた。
瞳には、国王としての威厳ではなく、一人の男としての切実な煩悩が宿っている。
「……ミーニャ、お前はマクシミリアンのことが好きなんだな。
……俺も同じさ。リリアーヌとの甘い溺愛を、邪魔されてばかりだ。
……読者様も、きっと同じ心境で俺を応援してくれているはずだ」
カイルの哀愁漂う呟きに、ミーニャは呆れたように首を振った。
――次の瞬間、ミーニャの身体が柔らかな光に包まれる。
光が収まると、愛らしい猫耳と尻尾を携えた、猫型獣人の少女の姿があった。
「私たちの利害は完全に一致しておりますわ!
あなたはリリアーヌ様と『夜の公務』に励みたいのでしょう?
私はマックスと……ああっ、なんてことを言わせるんですか!
恥ずかしい!」
羞恥に染まったミーニャの顔は真っ赤だ。
勢い余ってカイルの背中を、渾身の肉球で「バチーン!」と叩いた。
「うわあああああああ!?」
鈍い音とともに、カイルは重力を無視して、大きな放物線を描いて吹き飛ぶ。
瞬く間に空の彼方、遠くの山影へと消えていった。
甲板に残されたミーニャは、どこか満足げに鼻を鳴らした。
「……はぁ。スッキリしましたわ!
『肉球防壁展開』! 」
カイルの行方など気にも留めず、ミーニャはマクシミリアンの残り香を求めて、文字化けの荒波へと飛び出した。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
カイルは「猫パンチ・ホームラン」で、魔導大陸のどこかへ飛ばされてしまいました。
果たして、無事にリリアーヌと再会できるのか?
そして、飛ばされた先で何が待ち受けているのか……?




