【※校閲無双】聖域のバフをまとい、愛犬は濁流を駆ける
マクシミリアンは頭に被った『聖域』――リリアーヌの下着をパタパタとたなびかせ、ためらうことなく文字の濁流へと飛び込んだ。
「あ、マックス! 待ちなさいっ!」
思わず背中に飛び乗り、セリナは必死で首輪を掴む。
瞬間、濁流が牙を剥き、無数の文法エラーが二人を飲み込もうと殺到した。
――しかし。
リリアーヌの下着から滲み出る濃密な魔力が、迫りくる誤字たちを「検閲済み」のように弾き飛ばしていく。
「すごい……! これならいけますわ!」
セリナの瞳が怪しく光る。
虚空に指を走らせると、解読した文字の濁流が『光の橋』を形成した。
【注釈:踏破ルート】
※『動詞』の荒波を、マクシミリアンの脚力で『助走』として利用します。
※『主語』となる文字の衝突を回避し、最高速で飛び越えてください。
「その調子よ、マックス! ……あそこを、跳んで!」
マクシミリアンが地面を、いや、文字の奔流を力強く蹴る。
空中で描く美しい弧。
迫りくる誤字の濁流を真下に、彼らは物語の空白を駆け抜けた。
ルールを無視する愛犬と、解読する精霊。
二人は、崩壊する港の先へと一直線に突き進んでいく。
お読みいただきありがとうございます。
魔導港の濁流を、「下着を被った犬の背中」で突破することになるとは……!
マクシミリアンの忠誠心(?)が、設定のバグすら凌駕しました。




