【※訂正】夜襲の招待状、返信は『校閲済みの弾丸』で
「魔力を消し、速やかに投稿しろ。命だけは助けてやる!」
宿を包囲する魔導兵の気配は、夜の静寂を切り裂くほどに騒がしい。
ネオンの光が不気味に揺れる窓の外には、びっしりと並んだ魔導砲の銃口がこちらを向いていた。
「上空に召喚したゴーレムに攻撃させると、宿屋もペチャンコになるですぅ……!」
ダルタニアスが悲鳴を上げ、テクニシアンが抜剣する。
コレットとアンノウンは、状況に相応しい魔法を解き放つ準備ができていた。
ナナシの姿は見えないが、不気味なオーラを感じる。
緊迫する室内で、リリアーヌは優雅にティーカップを置き、扇子でパタパタと空気を仰いだ。
「何をおっしゃっているの? 宿ごと吹き飛ばせば問題ありませんわ」
あまりに傲慢で、しかし絶対的な確信に満ちた言葉。
ダルタニアスが恍惚の表情を浮かべ、興奮を抑えきれずに叫ぶ。
「リリアーヌ様の仰る通りですぅ! ……行きますよ、ボツにされた無能共!
『天を穿て、重撃の神鎚』!
我が最強の愛機『アイアン・ギルティ』!
その拳から放たれるは、貴方たちを塵へと書き換える『校閲済みの弾丸』ですぅ……愚かな誤字ども、全ページまとめて粉砕してやるですぅーッ!!」
刹那――。
宿屋ごと粉砕し、大地が悲鳴を上げるほどの質量が顕現した。
アイアン・ギルティの放った圧倒的な衝撃波は、包囲していた魔導兵も、魔道大国の権威も、すべてを等しく「塵」へと書き換えた。
夜の帳が、暴力的なまでの白光に塗りつぶされる。
だが、光の渦の中心にいたはずのリリアーヌたちもまた、インクを弾く紙のように、世界からすうっと色を失い、存在ごと綺麗に溶け去った。
ご一読、ありがとうございます。
宿ごと消し飛ばすという、リリアーヌ様らしい(?)「大胆な校閲」でした。
包囲網を粉砕したはずが、一行までもが世界から消滅……!?




