【※訂正】最高傑作(マスターピース)の幕引きに、不要な役者は存在しません
魔道大国ゲシュタルト――魔都ファイアボール。
「何だと? 無能令嬢を仕留められなかったのか?」
宮廷魔導宰相エメラルが、激昂して立ち上がった。
高級な羊皮紙の報告書が、床に散らばる。
将軍シュナイゼルは、冷や汗を流して膝をつく。
「……面目ございません。
彼女は……いえ、ステラリアのプロットは、予測を遥かに上回る『例外』でした」
「例外だと?
我らがゲシュタルトの魔導技術が、小娘に屈するというのか!」
エメラルの怒号が響く中、ぬらりとした黒い影が這い出してきた。
フードを深くかぶった魔導士が、ゆっくりと顔を上げる。
「うふふ。ついに完成しました」
どこか狂気を孕んだ声。
「終幕を飾るに相応しい、対物語用の魔道兵器。
……どれほど完璧な『内容』であろうとも、文字ごと粉砕して差し上げられます」
魔導士が指先で闇をなぞると、空間が軋みを上げて歪む。
エメラルは高笑いした。
「ほう……!
ステラリアも世界から消し去れるのだな!」
「ええ。ですが――」
魔導士の頭上に、注釈が躍り出る。
【※注釈:様々な異世界の魔法知識を持つシルヴィア。
ロウィンの魂に導かれ、異世界物語に転生した天才学者】
読んでいただき、ありがとうございます。
シルヴィアの登場で、一気に空気が変わりました。
リリアーヌの校閲と、シルヴィアの破壊術式。
二つの「力」がぶつかり合うとき、異世界物語の運命はどうなるのか――。




