【検証】異世界の転移術式? 校閲対象として受理いたします
今回は、ep.201『【※演出】 零れ落ちた黄金の砂は、風に溶けて』の続きです。
――さて、時は現在に戻る。
「魔道大国ゲシュタルトは、物語を倒せませんの?
だとしたら、とんだ無能ですわ」
リリアーヌが扇子で口元を隠し、冷ややかに言い放つ。
「リリアーヌ様ぁ!
毒を含んだ最高の誉め言葉、一生分浴びたいですぅ!」
ゴーレム使いのダルタニアスが、頬を紅潮させてうっとりしている。
「相変わらずのドS校閲、キレ味抜群です。
カイル陛下がメロメロになるのも理解できます」
聖騎士テクニシアンが、ため息混じりに感心している。
「やるじゃないか、朱マスク。
……それにしても、どうして僕のことだけ無視するんだい?」
黒い仮面の男――アンノウンが、やれやれと肩をすくめた。
「ウフフ。私、有給なんだけど、きちゃったww」
……あれ、こいつの名前なんだっけ?
あまりの存在感の希薄さに、全員が記憶の霧をさまよった。
「……有給ということは『校閲対象外』ですので、勝手にしていらっしゃい」
リリアーヌが、獲物を狩るような、ニヤリとした笑みを浮かべる。
ゲシュタルトの将軍が、右手を高らかに掲げた。
「船は文字の海に呑まれ、貴様らの退路は断たれている。せいぜいあがくがいい!」
将軍の嘲笑と共に、魔導兵団の姿がゆらりと揺らぎ、消滅する。
「瞬間転移……?
しかも、この座標の歪み……」
朱マスクの女が鋭い眼差しを向け、小さく呟いた。
「――まさか、異世界の術式……?」
ご一読ありがとうございました!
ゲシュタルトの将軍が見せた「瞬間転移」。
魔道大国の技術ではなく、異世界物語の外の術式でした。




