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禁忌の誤植、闇市の扉

 魔道大国ゲシュタルト。


 影に潜む闇市は、常識とことわりが腐敗して混ざり合う掃き溜めだ。


 並ぶのは、表の世界では焼却処分されるはずの禁忌の魔導書や、呪詛じゅそはらんだ魔法スクロールの数々。


 世界という物語から削除された「不要なテキスト」のように、無造作かつ無秩序に立ち並んでいる。



『魂の誤字、修正いたします』


『世界の仕様書、高価買取』



 狂ったうたい文句を掲げた怪しげな看板が、瘴気しょうきに揺らめきながら、禍々まがまがしい光を放っていた。



 ――異様だ。



 だが、コレットには混沌こそが心地よい。


 吸い寄せられるように一角へ足を踏み入れた。



 視界の端、路地の壁面に、不自然なノイズとともに、びついた謎の扉が浮かび上がる。


 迷いはない。


 扉のノブに手をかけ、ゆっくりと回した。


 向こう側にあるのが真実か、それともさらなる禁忌のバグか。


 どちらであっても、「校閲」の指先から逃れることはできない。

 最後までお読みいただき、ありがとうございます!


 魔道大国ゲシュタルトの闇市。


 禁忌の数々は、「厄介な誤植」でしかありません。

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― 新着の感想 ―
何処の国でも必ずある場所です。こう云う所があることで、秩序が保たれているのも仕方ないんですよね。 その先にあるのは何かな?……長いお鼻のおじいさんが座って待っていたりして♪(「ようこそ。ベルベットル…
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