【※注閲】魔道大国への進撃――情報は全て赤ペンで筒抜けですわ
魔道大国ゲシュタルト――中枢である、魔都ファイアボール。
大陸の東岸が、黒いインクに飲み込まれつつある脅威を前に、かつてステラリア王国を「弱体化した獲物」として狙っていた大国は、未曾有の危機に瀕していた。
「えええい!
ステラリアからの色よい返事は、まだなのか!?」
玉座の間で、ゲシュタルトの権力者が、焦燥を露わに怒鳴り散らす。
彼らにとって、ステラリアはいつでも踏み潰せる「格下の小国」だったはずだ。
「はっ……! 我が国が潜り込ませているスパイ、宰相エドワルドからの定時報告によれば、『ステラリアの戦力は現在、十分に整っている』とのことです!」
「ならば、なぜ救援を渋る?
エドワルドを使い、危機感を煽って、こちらの要求を呑ませろ!」
「それが……報告には、不可解な文が添えられておりまして……」
魔術師の声が、恐怖に震える。
「……『ゲシュタルトの情報が、ステラリア上層部に筒抜けになっている。
だが、どこから漏れているのかが一切不明だ』と……」
「何だと!?
最精鋭の魔導通信だぞ!?
漏れるはずがないだろう!」
その後、ゲシュタルトの上層部が、顔を真っ青にして激論を交わした。
――だが、彼らは知らない。
絶対の信頼を置いているエドワルドが、【※注釈】という本音を輝かせ、リリアーヌやカイル、エレオノーラたちに、ゲシュタルトの計画を全て暴露しているという事実を。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
リリアーヌたちの前では、大国のスパイも「情報送信機」にすぎません(笑)
そして、大陸の東岸で暗躍する謎の物語……。




