【※注釈】最強騎士の初期設定が、「誤字」だらけの件について
騎士団詰所。
新生ステラリアの国防を担う、最強の矛と盾が集う場所――のはずだった。
元ドラフティアのゴーレム使い、ダルタニアス。
「ああ……。
リリアーヌ様、もっと残酷な瞳で、俺という『記述』を罵ってください……っ!」
かつてドラフティアの防衛線を一人で守り抜いた英雄は、主任校閲官の放つ「ドS校閲」に魂を売ったらしい。
一方、元ヴォルガ・イグナシオ連合帝国の聖騎士、テクニシアン。
「カイル陛下、身も心も捧げる準備は整っております。
私にとっての神は、貴方以外におりませぬ」
絶世の美男子だが、陛下を視界に捉えた瞬間から、怪しいよだれが止まらない。
肩をすくめたのは、黒い仮面の男――アンノウン。
「やれやれ……。
お嬢さん、僕たち以外にまともな騎士はいないようだね」
静かな佇まいで、一人だけ常識的な発言をしているが――。
朱マスクの女は、不敵な笑みを浮かべたまま、無視を決め込んでいる。
リリアーヌは扇子で顔を隠し、深い溜息を吐き出した。
「……皆様。
私の周りに集まったのが、『厄介な誤字』ばかりだなんて……。
何か罰ゲームでも受けているのかしら?」
赤ペンを握る指先が、怒りでピクリと震える。
その時だった。
「ウフフ。
私、ずっとここにいるのに、気付かないなんてww」
誰もいないはずの空間が、陽炎のように揺らめいた。
「……ッ!? 姿が見えない……!
いや、そこにいるのに、いないのか?」
衛兵が息を呑み、即座に間合いを取る。
「さあ?
リリアーヌ様がカイル様と『余白』を埋め合った夜から、ずっといますよww」
「ナナシ!
無駄口を叩いたら……消去しますわよ?」
リリアーヌの頬が、一瞬にして朱に染まる。
最強の布陣は整った。
戦う相手は、世界に現れた「物語」と「執筆者」。
だが、それ以上の爪痕を残した五人だった。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
ついに新生ステラリア騎士団の「五柱」が揃いました!
……まともな人間が一人もいない気がするのは、気のせいでしょうか?(笑)




