イントネーションって、すごい重要
ピンチ、欠損タグにも注意して、グロ注意!
「よくも、よくも、あの方、ケマルぺ国王の姿を騙って、吾輩を騙そうとしたな!」
ロットが怒気の混じったしわがれた声で言う。
私たちの首には、ヒモのように細くなった赤スライムが巻き付く。
これで絞め殺す気だ。
念力は内部の臓器に干渉することはできない、けど外部からならなんとでもなる。
私とサイを逆さ吊りにした状態で私たちを睨みつける。
ロットの顔は、茹蛸のように赤くなり、口からは血をこぼしていた。
「何十年も、あの方から名前を呼ばれている。
あの方が我輩の名前を呼ぶときは、ロットのところが、少し訛って、トがドに近い感じになっている。」
発音の違いでバレたんかーい。
これは私のコピー不足や、そこさえ上手くできれば、こんなことにならなかったはず。
どうしよう、このままじゃ私どころかサイも危ない。
いっそのこと、素直に腕差し出そうかな。
ここまで必死に守ってきたけど。
別の骨や義手を組み合わせれば、なんとかなるかもしれない。
私のせいで、サイが。
私は体を変形させて、サイの腕から出た。
サイは目を見開き、驚いた顔をしている。
顔面から地面に当たり、痛い。
呼吸のために出していた顔以外は、全部変形して、ツチノコのような姿になっている。
そして、アスファルトの地面に額をつける。
「姿を騙ったことは申し訳ございませんでした。
本物のケマルぺ国王陛下から、あなたを説得するには、ケマルぺ国王陛下の姿使うことが1番だと教えられたからしてました。」
ロットは「ケマルぺ国王陛下からの指示」
と言うことと今の私の姿を見てから狼狽えた様子が見てとれた。
「嘘だ。ケマルぺ国王陛下が、、、。
腕の子の腕がない。」
呆然としているロットの隙を私はにっこり嗤う。
「腕ならここにありますよ。こんなもの採れるものなら、取ってみなさい。」
私は地面から顔をあげる。
目にも止まらぬ速さで、胴体と一体化していた両腕を広げる。
肌の再生が間に合わず、少し血が垂れる。
木の枝が広がるように、10本の指を伸ばす。
右手の方はサイの足を縛っているスライムに手を伸ばす。
左手の方はロットの喉を突く。
突然のことに、反射的に喉を押さえようとして、スライムの拘束が緩む。
右手で、サイの足を縛っているスライムの拘束を解く。
私と同じように顔を打つ前にサイは自分の黒スライムを伸ばし、倒立のような状態を保ち、打つことを避ける。
そして、立ち上がるとすぐに私を抱えて、逃げる。
サイの表情は、顔面蒼白だった。
後ろからはロットの獣のような怒号が響いてきた。
「腕の子オオオオオオ!」
ケマルぺ王国からの応援が来るまであと5分。
それまでなんとか乗り切らなければ。
「ノウ、危険、やめて。
ロットは、ノウの、腕を、切り取ろうと、してた。」
走りながら無理に話そうとして、途切れ途切れ話す。
サイは、地面からのスライムに警戒してか、不規則に跳ねたり、コンテナの上に乗ったりしながら、ロットと距離を取る。
「もうしないよ、右に伏せてスライド」
伏せたサイに押し潰されそうになり、浮遊感を味わう。
私たちの頭スレスレを赤い触手が掠める。
それでも、どうやら、私たちは追い詰められたようだ。
ロット以外にも、ミイラ派が数名、私たちの方にスライムを伸ばしにかかってきた。
その時、空から音がした。
空から降りてくる飛行機から出る空気を切り裂くようなキーンとした音。
それが空からした。
空から何かが降ってくる。
そう思った時にはもう、地面にそれが近づいていた。
それが地面に衝突するのと同時に土埃、アスファルトの破片が飛び散る。
サイが咄嗟に庇ってくれなかったら、危なかった。
「ロッド、わしゃ、腕入らんと言っておるじゃろ!」
どすの利いた声が響く。
目の前には、プラチナ色のスライムをつけたケマルぺ国王陛下が立っていた。
治療していた時の儚いお爺さんと言う雰囲気どこに行った。




