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第5作 術式の正体

「よしっ!」

「準備完了!」


翌朝、アウルは自室に昨日の魔術概論と魔道具のランプを持ち込み

早速魔術について調べることにした。


「まずは魔術概論から。」


本を手に取り一ページずつ読み進める。


「内容は大体昨日父上が言っていた事と変わりないみたいだな。」


次のページを捲る。


「おっ。」


そのページには術式についての内容が載っていた。


”術式とは、魔力の流れや作用を定義するために開発された技法。

この術式を魔法として発動できるよう図式化したものを魔法陣という。”


本には術式の図解が載っていた。

円や線、記号などで構成されているのがわかる。


”術式は『出力』『対象』『条件』『属性』で構成される。”


「これって...まるでプログラムみたいじゃないか?」


前世でプログラマーだったアウルには術式が

プログラムに似た構造に見えた。


ーーもしそうなら俺と相性がいいかもしれない。


そして。


机の上に事前に準備しておいたランプに目を向ける。


「実際の魔道具の術式がどうなっているのか気になるな。」


ランプを手に取ると、迷うことなく分解を始めた。


ーー懐かしいな。昔は気になったものなんでもこうやって分解してたっけ。


分解したランプの内側の底に魔法陣らしきものを見つける。


本の図解と見比べながら一つ一つ読み解き始める。


「えーっと...。」

「この術式は、光属性の属性記号が書かれていて。」

「条件は『対象に魔力が注がれた時』。」

「発動するのは『ルクス』の魔法か。」

「それら全てが線同士で繋がれて、最後に全てを一つの円で囲われていると。」


ーー案外シンプルなんだ。


実際に魔力を通してみると、

魔法陣から小さな灯がともった。


「確かに普通に魔法を使った時より多く魔力を消費してる感じはするなあ。」


昨日、マグヌスが言っていた通り魔法に比べるとかなり燃費が悪いみたいだ。


「んー...。」

「もしかしたら改良できるかもしれないな。」


机の上に置いてあった紙とペンを取ると黙々と何かを描き始めた。


たとえば、対象に魔力を注ぐ条件のところに魔力量の調整をする条件を加えてみて、

発動する光の強さを魔力量に応じた光量になるように設定してみる。


「こんな感じかな?」

「一応最初はさっきと同じ魔力量を注いでみよう。」


魔法陣に向かって手をかざし魔力を注ぐ。


すると。


先ほどまでとは比べ物にならない光が部屋中を包み込んだ。


ーーうぉぉおおお!め、目がぁぁあああ!


光は窓の外まで漏れ出すほど眩しかった。


「大丈夫ですか!?アウルさ...ま...。」


突如起こった出来事にユウナが慌ててアウルの自室に入ってきた。

そこに映る光景は、目を押さえながら床にのたうち回るアウルの姿があった。


「な、何をなさっているんですか?」


「ちょ、ちょっと魔術の実験をね...。」


「魔術の?」


ユウナは机の上に視線を向ける。

そして、表情はみるみると青ざめていった。


「ア、アウル様...。」

「魔道具を壊しちゃったんですか!?」

「高価な魔道具で遊ぶのはやめてください!」

「私が旦那様に怒られてしまうんですからね!?」


ユウナの見たこともない迫力に少し驚くアウル。


「ち、違うよ!」

「壊したんじゃなくて分解しただけ!」

「それにさっきの光は僕が...。」


そう言って視線を向けた先にはあるはずのものがなかった。


そう。


先ほど魔法陣を書いた紙が、跡形もなく消えていた。


ーーあれ!?


机の下を見てもベットの下を見てもそれは見つからなかった。


ーー一体どういうことだ?


術式自体は問題なかったはず。

ただ、術式を記述した紙に問題があったのかもしれない。


すると、アウルはもう一度紙に同様の魔法陣を描き始めた。


「ちょ、ちょっとアウル様?」


気づけばアウルはユウナの存在を忘れ探究心に駆られペンを走らせる。


ーーもう一度。

ーー今度は最小限の魔力で。


再び魔法陣に手をかざし慎重に魔力を注いだ。

すると、魔法陣から小さな灯が灯った。


ーーよしよし。今度は問題なく光ったぞ。


そして、異変は起こった。


明かりを灯してから一分もしないうちに魔法陣から火花が走り、

魔法陣が描かれた紙が燃え尽きてしまった。


ーーやっぱり!


「多分、紙では魔法陣に流れる魔力に耐えられないんだろう。」


分解したランプの魔道具に目を向ける。

やはり魔法陣が書かれているのは何かの金属の板のようだった。


「術式の改良はできた。」

「条件を追加すれば、魔力効率の悪さは改善できそうだ。」

「ただ一つ問題が...。」


そう。術式を刻むための材料がない。


もう一度魔術概論を開く。


ーー何か書いてないかな。


”術式を刻むために魔鉄を用いることで魔力の伝導率が上昇する”


ーー魔鉄!


「これだ!」


おそらくランプの魔道具に使われていたものもこの魔鉄だろう。

でも、どうやって手に入れるんだろう。


「ねえ、ユウナ。」

「魔鉄って知って...。」


ユウナの方に視線を向けると、そこには泣きそうな表情に頬を膨らませた女性が立っていた。

心配をかけた上に自分の世界に入り込んで存在を忘れてしまっていた。

怒られて当然だろう。


それからユウナのお小言が始まった。


その後。


「と言うことは、アウル様は新しい魔道具をお作りになられたのですか?」


「作ったというより、既存の術式を改良したって感じかな。」


お小言の後、ことの経緯を説明してようやく解放された。


「すごいじゃないですか!」


「いや、まだ完成していないんだ。」


その言葉に首を傾げるユウナ。


「魔鉄っていう金属が必要なんだけど。」

「どうしたものか...。」


「それでしたら旦那様にご相談されてみては?」


確かに、父上なら何か知っているかもしれない。


善は急げだ。


胸に湧き上がる創作意欲を抑えきれず、

アウルはマグヌスのいる書斎へと向かった。


お忙しい中お時間を割いて、本作品を見ていただきありがとうございます!


いかがだったでしょうか?


もし、いいなと思っていただけたら

ブックマークとページ下部にある☆☆☆☆☆の評価をおねがします!


作者のやる気にもつながります!

読者の方が満足できるお話を書けるように頑張って参ります!

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