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第3作 無属性の可能性

『魔法』


それは神に与えられし神の御業。


ーーなんか出だしから仰々しいな。


魔力を持ったものは神から属性紋を授かり、

七つの属性を体内の魔力を媒介に顕現させる。


魔法を使うために必要なことは3つ。


一つ。体内の魔力を知覚する。

二つ。属性紋に魔力を集中させる。

三つ。正しい発音で詠唱を行う。


「魔力の知覚...。」

「...瞑想でもすればいいかな?」


そっと目を閉じる。


書庫の中に静寂が走る。

聞こえるのは自分の中にある脈打つ心音。


すると。


何か感じる。

自分の身体中に流れる血管を通して何か温かいものが。

属性紋に集中させると温かな流れが左手に集まってくるのがわかる。


「おお!これが魔力か!」


アウルは夢中で次のページをめくる。


体内の魔力を感じ取れることができれば

あとは魔法を具現化することができる。


具現化する魔法はその位に応じて必要とする魔力が異なる。


魔法の位は大きく分けて四つ。


『下位魔法』『中位魔法』『上位魔法』『最高位魔法』


そして、魔力量は属性紋の刻まれた1〜5の星の数で決まる。

魔力量は後天的に伸ばすことはできず、先天的な才能で決まる。


「なるほど。」

「そうなると星の数が一つの俺は魔力量は最低値ということか。」

「加えて、漫画みたいに魔法を使い続けると魔力量が増えるみたいなのもないのね。」


ーーまあ、魔法をぶっ放して無双したいわけでもないから別にいいけど。


少しがっかりはしたが

決まっているものは仕方がない。


ページを読み進めると一つのページに目が止まる。


『下位魔法-目録』


ーーおお!ようやく魔法が!


ページをめくっていくと、

どうやら各属性の一部の下位魔法が記述されていた。


そして。


アウルの無属性魔法についても記述されていた。

記述されていたのは3種類。


『浮遊』『分解』『構築』


教会で言われた通り、この3種類しかないようだ。


「じゃあ、早速できそうなやつから!」


まずは、魔力を知覚する。

身体中が温かくなってくる。


次に、属性紋に魔力を集中させる。

身体中の温かな流れが左手に集まっていく。


最後に、正しい発音で詠唱...。


浮遊レビト


すると。


手をかざした先にある積み上げられた本の一冊が宙を舞った。


「うぁあ!」


宙に舞っていた本はそのまま地面に落ちた。

驚きのあまり魔力を切ってしまった。


ただ。


「できた...!」

「魔法だ!俺が今魔法を使った!」


興奮のあまり、その場で飛び跳ね

見た目同様子供みたいにはしゃいでいた。


「もう一回!」


床に落ちた本は再び宙を舞い始めた。

手を翳した方向に自由自在に移動する。


「すごい!」

「もっと!もっと他の魔法も。」


次に目に止まったのは『分解』『構築』。


「確か分解と構築は使い方がはっきりしていないって入ってたよな。」

「試しに何実験に使えそうなものは...。」


あたりをキョロキョロしていると一冊の本が目に入った。


『』


ーー。


「ま、これでいっか。」


本に手を伸ばし、正しい発音で詠唱。


分解レゾルティオ


何も起きない。


「ん...。やっぱり何か条件があるのかな...。」


そう言いながら本を持ち上げる。


ーーそういえば、この時代の本は羊皮紙できてるんだな。

ーー表紙は...木の板に動物の皮を覆って...。


「そういうことか!?」


すると。


何か気付いたのか、もう一度本を床に置き詠唱を始めた。


分解レゾルティオ


その瞬間。


数枚の羊皮紙と木の板、何かの動物の皮に数本の糸。

床にはインクと思われる黒い液体が散らばった。


「思った通りだ...!」


恐らくこの分解の魔法は対象物の理解が必要なんだ。

詠唱を行う前に素材のことを浮かべた結果、本は元の素材へと分解された。


「一体どこまで分解できるんだろう!」


胸が高鳴る。

気になったら確かめずにはいられない。


分解された素材の中のインクが目に入る。


「確か、インクは煤と水と...あとなんだろう。」

「とりあえず、やってみるか。」


再び分解の魔法を試してみる。


すると、インクは粉末状の煤と液体の水。

そして、粘度のある個体になった。


「これは...のり...かな?」


どうやら完全に理解していなくともある程度、

想像できていれば問題ないみたいだ。


「じゃあ、最後は...。」


さらに分解されて残った水に視線を向ける。


「水は酸素と水素でできてるけど...。」


恐る恐る水に向かって分解の魔法をかける。


「...!?」


すると。


水はその場で霧散し、消え去った。


「ま、まさか分子レベルまで分解できるなんて。」


そして、最後の魔法『構築』。


「もし、俺の推測が正しければ恐らく...。」


今ここには元が本だった物の材料がある。

それを構築の魔法を使えば。


床に散らばった材料に手をかざし詠唱を始める。


構築コンストルクティオ


すると。


素材は光と共に本の形へと変わった。


「やっぱり!」

「でも、少しだけ...。」


素材は本の形に構築されたが元の物とは違っていた。


本の表紙は人の手で細工をされていたが

ただの木の板に動物の皮がかぶさっているだけ。


紙に関しても全ページ白紙の状態になっていた。

恐らく、気化したものは構築できないのだろう。


証拠として、インクを分解して残った煤とのりは

構築時に本には吸収されずそのまま残ってしまっていた。


「まだ不確かなことは多いけど、実は無属性魔法って

使いようによっては化けるんじゃないか?」


素材さえあればきっと、いろいろなものが作れる。

その素材だって、分解の能力があれば科学的に必要なものも省ける。


俺の地球での現代知識と無属性魔法さえあれば、

今をもっと便利な生活にできるかもしれない。


「なんだろう!なんだかすごくワクワクしてきた!」


自然と胸が高鳴った。


「他にも役に立ちそうな知識はないかな。」


再び本棚に視線を向けて、実用性のありそうなものを探し始める。

そして、またもや一冊の本が目に止まった。


『魔術概論』


「魔術...?」


魔法とは違うのか?


思わず本へ手を伸ばそうとした、その時――。


お忙しい中お時間を割いて、本作品を見ていただきありがとうございます!


いかがだったでしょうか?


もし、いいなと思っていただけたら

ブックマークとページ下部にある☆☆☆☆☆の評価をおねがします!


作者のやる気にもつながります!

読者の方が満足できるお話を書けるように頑張って参ります!

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