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第48話 アンダードッグ
透が倒れる音がひどく遠くから聞こえた。
あいつが負けるはずがない、という思いとゲタゲタと笑うアッシュの様子が噛み合わず、頭の処理が追いつかない。
「よーし、御厨を潰した。
残りは雑魚だけだ!」
「アッシュ、油断するな。看守は最後まで気を抜かないものだ」
「はー、堅物だな。
見ろよ、火野のやつ震えてやがる」
音は拾っているが言葉の意味がよくわからない。
震えている?
ふと手を見ると、ブルブルと小刻みに振動していた。
ずっと目を逸らしていただけど、もう認めるしかない。
俺は看守が怖い。
戦うのが怖い。
負けるのが怖い。
笑われるのが怖い。
だからこの結果は当然だ。
俺は負けて、地の底に行く。
手に力が入らず、俺はカードを取り落とした。
透に託されたロキが目に入る。
嘲るような笑い顔。侮蔑したような目で俺を見ていた。
「火野!我が主人の仇を取れ! 諦めるな!」
リーゼさんが場外から声を張り上げる。
だけど俺にはできない。
今まで透がいたから、何でもできる気分になっていただけだ。
隣にあいつがいないと、本当はただの臆病者だ。
俺は友の思いに応えることができずに負ける。
俺はいつまで経ってもアンダードッグ。




