品と話し方
朝、学校の準備をしている時、私は重大な問題に気づいた。学校ではシガミと話せない。シガミは他の人には見えないのでただ一人で喋っているやつになってしまう。
「シガミってテレパシー使える?」
「死神はエスパーじゃないんだよ」
「どうしよう、学校じゃシガミと喋れないのに、」
「ああ、それなら問題ないよ」
そう言うとシガミは目を瞑った。するとシガミの体が物質化したのか床に着地した。足が見えるようになってペタペタと地面を歩き始めた。身長は私と同じぐらいになり顔もなんだか私に似ている気がする。
「これでどうだい?昨日練習したんだ」
なるほど。これなら、まあ大丈夫だろう。学校で常にシガミと話すわけじゃないし、緊急時だけこの姿で出てきてもらう予定だから。でも、
「服を変えれないの?その姿はちょっと、どうにかならない?」
シガミはスーツを着ていて、流石に学校でその格好はおかしい。
「じゃあこれでいい?」
一瞬でシガミのスーツが私と同じ制服に変わった。こんなメチャクチャな事してても驚かなくなった自分が少し怖くなった。
「いいよ。ていうかシガミって女性だったんだ」
見た目が中性的で服がスーツのせいで性別がよくわからなかった。死神に性別という概念があるのか怪しかったし。ただ、本を読む姿や喋り方にどこか上品さが合ったのでどちらかと言えば女性のイメージだった。
「うーん、死神には性別はないから厳密には女性じゃないんだよね」
「そうなんだ、その話し方って自分の話し方?」
少し踏み込んだこの質問にシガミは答えなかった。ただ一言
「さあ?」
と呟いた。その時の顔を私は見ていない。




