表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界トラベルツアー  作者: 瀧音静


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/143

容赦はない

 う~ん……。

 紫の見た目からお出しされるパイナップル風味のジュースってなんだかなぁ。

 いや、美味しいよ? ちゃんと美味しいんだよ?

 ただ、視覚情報と味覚情報が一致しないからすっごい違和感しかない。

 美味しいのに。


「……ふぅ」


 てなわけで、ミックスジュースを片手に甲板に設置してあるデッキチェアに腰を掛けつつ、白んできた空を眺めて太陽の登場を待ちますか。


「――いや、普通に寝そう」


 なお、デッキチェアからは五秒で降りるもよう。

 食事前まで寝てたとはいえ、ピザとコーラとミックスジュースで血糖値上がって眠気が来てるんですわ。

 そんな中で横になってリクライニングで楽な姿勢になったりしたらもう……。

 そりゃ意識が遠のきますわと。


「普通に待つか……」


 デッキに設けられた柵に寄りかかり、たまにミックスジュースを口に持って行って待つこと……わりと。

 ようやく太陽が顔を出しましたわよ。

 うむ、綺麗な風景ですわ。


「コケコッコ~」

「どこからだよ」


 どこからともなく鶏の鳴き声も聞こえてきますと。

 船内スタッフか利用してる客の中に鶏のハーピーでもいるのか?

 そもそも、鶏のハーピーってなんだよ。

 今更だけど。


「クックアドゥドゥルドゥ」

「どちら様ですか?」


 アメリカだと鶏の鳴き声はこう聞こえるんだっけか?

 てことは少なくとも鶏のハーピーは二人以上居るのか。

 そもそも、なんで鳴き声が違うんだよって話にはなりそうだけど。

 ……さてと、


「風呂はいつでも入れるんだよな?」


 日の出も見たし、風呂に入りますか。

 確か、大浴場があったはず。

 潮風に当たって肌はべたべただし髪もきしむ。

 とりあえずシャワー浴びたい。


「……俺の部屋の階層の一番奥ね、了解」


 船内マップで大浴場を確認し、ミックスジュースを飲み干して。

 半分ほど顔を出した太陽に背を向け、デッキを後にする。

 次に太陽を見るのはもう少し上ってからだろうなぁ……。



 ……大浴場、しっかり海の景色を見ながら入れる設計でした。

 当然の様に日の出もここから見られたわけで……。

 別にデッキで見る必要も無かったな。

 まぁ、潮風を受けながらの日の出は初めての体験で良かったは良かったけれども。

 ちなみに大浴場には普通に利用する乗客もいるが、全員が水着を着用しての入浴。

 もちろん俺も。

 脱衣所に風呂場用の水着が用意されてて、種族によって水着のデザインや大きさが違うのよ。

 それを自分で持ち出して使うスタイル。

 当然人間用の水着を持ち出したんだけど、何というか……。

 セパレートの水着なのよね。

 サーファーが着てる感じの水着ね。

 上半身まで隠すのか……と思いはしたけど、まぁ、男の娘なハーピーさんとか見かけたし。

 隠す方が無難よな。

 

「あ゛ぁ~」


 風呂はいい。

 しっかり肩まで浸かって、二進数で百まで数えましょう。

 しっかし、


「めっちゃ綺麗」


 オーシャンビューの綺麗な事。

 さっきまでの薄暗い海じゃなく、しっかり太陽に照らされた光り輝く海。

 この景色を堪能しながらの風呂というのは、何と贅沢な事だろうか。


「ふぅ……」


 足をしっかり伸ばせるのもいい。

 やはり風呂は広いに限る。


「……ん?」


 なんて、ボーっとオーシャンビューを堪能していたら。

 どこからか見慣れたフクロウハーピーさんが。

 いや、風呂場にじゃないよ? オーシャンビューの画角に入って来たのよ。

 なんか、空を飛ぶウツボ? みたいなのと格闘してるっぽい。

 どれくらいの戦闘力か、お手並み拝見と行きますか。


「……秒で終わったんだけど」


 まず、飛行ウツボに蹴りを入れてよろめかせ、足で頭と胴体をガッツリホールド。

 そのまま左右に足を開いて胴体から首を引きちぎる、と。

 子供見たら泣くぞ、レベルの絵面が目の前で公開されるも、一応朝が早い事もあって風呂場に子供の姿は見受けられず。

 それどころか、戦闘が終わったら風呂場に居た全員から拍手が起こりました。

 まぁ、スピーディに魔物を倒したって事だしね。

 手段は別にして。

 ……にしても、そりゃあ動かなくなるまで魔法で攻撃とか、打撃で応戦……とまではいかないまでも。

 なんというか、絵面的に綺麗な戦闘を思い描いちゃってたな。

 現実的に考えたら、首と胴体引きちぎった方が早いもんな、うん。

 なんというか、理想と現実は違うなぁ、と。


「いやぁ、ノクティアは強いな」

「流石はこの船のガーディアンを任されるだけある」


 なんて、風呂場の乗客から言われてたんだけど、ノクティアってのがフクロウハーピーさんの名前なのかな?

 あー……そういえば、貰った名刺の右下にノクティアって書かれてたような……。

 フクロウハーピーさんの名前とは思わなかったな。

 今夜行った時に聞いてみるか。


「今日の昼に魔ウツボのかば焼きとか出るんじゃねぇか?」

「期待していいだろうな」


 で、倒してた飛行ウツボの名前は魔ウツボか。

 昼食に出る、か。

 起きられたら探してみてもいいかもしれない。

 ……さて、十分に温まったし、髪も体もしっかり洗ってサッパリしたし。

 ――サウナ……入るか。

 折角あるしね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ