表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界トラベルツアー  作者: 瀧音静


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

79/144

危うくいかがわしい絵面

 うん、プリンシュー、期待通りの味。

 プリンシューって聞くと普通のシュー生地のイメージだけど、このプリンシューはクッキーシューなのよね。

 美味いよ。

 ……美味いんだけど……。


「物理的に生地に入りきらないクリームが入ってるのはバグ?」


 信じられるか?

 シュー生地を噛んだ瞬間、中からクリームがモリっと溢れてくるんだぜ?

 しかも、噛んだから押し出された、とかじゃなく、そもそも生地内に入りきらない量のクリームが押し込められてたみたいな感じ。

 何をどうすればそうなるのかは分からないけど、多分魔法でしょ。

 どうせ。


「ほー、器用に食べるのう」

「?」


 そんな溢れるクリームを吸い込みながら、もうプリンシューというよりホイップとカスタードのダブルクリームを食べてるみたいな状態。

 そんな状態を見て、フクロウハーピーさんがそう声をかける。


「爆弾シューを食べる者のほとんどは、顔中クリームだらけにして食べていたからな」

「ありありと想像出来ますね」


 ふぅ……。

 うっぷ。

 ようやくクリームの処理が終わった。

 残るは常識の範囲内に収まったダブルクリームと、生地内に鎮座するプリンだけだ。

 というか、マジでどれだけの量クリームが入ってたんだ?

 胸焼け寸前くらいまでクリームだけを食べてたぞ……。


「今度私もその食べ方を見習って食べるとするか」

「今は食べないんです?」

「もうお腹一杯だ」

「でしょうね」


 あれだけ山盛り食べてたらそりゃあね。

 ……というか、俺だったら最初の山盛りポテトとフライドチキン、白身魚フリットだけでお腹一杯になるわ。

 いや、普通に食べきれなくて残すかもな。


「……ふむ、では私は巡回に戻るとしよう」

「休憩中だったんです?」

「うむ。と言っても、魔物の気配がすればいつでも対応しなければならないがね」

「休憩というか空き時間って感じですね」

「うむ。まぁ安心して旅を楽しむがよい」

「信頼してますよ」

「ほっほっほー。ではな!」


 そう言ってフクロウハーピーさんは羽を広げ、羽音一つ立てず空へと飛び立ち。

 …………数秒後戻ってきて、


「忘れていた」


 自分の使っていたトレーを所定の位置へと戻しに行った。

 ……置いてたら俺が持って行ったのに。

 折角格好よく空に飛び立ったのに。

 なんというか、絶妙に一歩足りないみたいな人だったな。



 部屋に戻るでもなく適当に甲板をぶらぶら。

 いや、さっきのコーラが少し残っているから、それを飲む間……と思ってたんだけどね。

 もう少し待てば日ノ出の時刻になるってスタッフさんに教えて貰ったのよ。

 どうやら、朝日目当てで待ってる乗客と思われたらしい。

 という事で、折角なら朝日だけ拝んで寝ようかなと。

 今日の予定は……特に決めてない。

 参加したいと思うツアーとか無かったし、とりあえず寝て起きて考えようかなと。

 あ、夜になったらフクロウハーピーさんのバーに行こうかな。

 

「……太陽ってどっちの方向から昇るんだ?」


 そもそも東から昇るのかな?

 エルフツアーの時も特に方角とか気にしてなかったから、現代と同じく東から昇るのか分かんないや。

 まぁ、東から昇ったからだから何? って感じではあるんだけれども。


「コーラ飲み干したし、もう少しかかるし……」


 空は変わらず暗いままで、日の出はそんなにすぐじゃないらしい。

 だったら、飲み物でも貰って来よう……という事で。

 フクロウハーピーさんが飲んでた、オーダーメイドミックスジュースを貰いに行きましょ。

 ……流石にさっきまで飲んでたコーラと同じサイズだと飲み切れないので、一番小さいサイズにして貰いましょ。

 という事でオーダーメイドミックスジュースを提供して貰える場所に来たんですが……。


「ほー、よく会うな」


 フクロウハーピーさん、居るし。

 マジで何回会うねん。


「ですね」


 で、相変わらずクソデカサイズのミックスジュース飲んでるし。

 俺が知る鳥って少しでも体重を軽くするために摂取した物が短時間で体外に排出される筈なんだけど……こんながぶがぶ飲んでて大丈夫なの?

 空飛べる?


「何を混ぜましょう?」

「酸味抑えめで優しい甘さになるようにミックスって出来ます?」

「もちろん、出来ますよ」


 良かった。

 曖昧なオーダーでしっかり作ってくれるっぽい。

 ここでこのオーダーが無理なら、勘で色んな果物を混ぜてもらうしかなくなってたからな。


「辛みはどうしましょう?」

「辛みは……辛み!?」


 ?

 フルーツのミックスジュースだよね?

 基本的に甘いものだよね?

 辛みも聞かれるの? 辛いの普通入れなくない?


「辛みは無しで」

「かしこまりました」


 当たり前に辛くする? って聞かれるの怖いな。

 ミックスジュースだぞ?

 そもそも飲み物を辛くする発想無くない?

 スープじゃないんだぞ? ドリンクだぞ?


「では、今度こそ」

「お仕事頑張ってください」

「ほっほー」


 二度目の挨拶を済ませ、フクロウハーピーさんをお見送り。

 ――あ!?


「すみません! サイズ一番小さい奴で!!」

「? かしこまりました」


 あっぶねぇ……。

 サイズ伝え忘れてた。

 ただ、滑り込みセーフだな……。


「お待たせしました。酸味控えめ優しい甘さのミックスジュースです」

「ありがとうございます」


 ……いや、色が紫!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ